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*&ruby(ゆーろふぁいたー・たいふーん){【ユーロファイター・タイフーン】}; [#o3f58193]
Eurofighter Typhoon.~
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イギリス・ドイツ・イタリア・スペインの4ヶ国が共同開発したジェット[[戦闘機]]。~
[[トーネード]]の実績をもとに1986年に英・西独・伊の3ヶ国で開発が開始され、まもなくスペインもこれに加わった。~
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開発当初、型式は「F/EFA（Future European Fighter Aircraft((「未来のヨーロッパ戦闘機」という意味。))）」と仮称されていたが、1992年には「EF-2000」と改称され、1998年には正式にタイフーンと命名された。~
しかし、政治的トラブルによる計画の遅延が頻発し、当初1999年からを予定していた量産計画は2002年までずれ込んでいる。~
イギリス・ドイツ・イタリア・スペインの4ヶ国が共同開発した[[双発>双発機]][[マルチロール>マルチロールファイター]][[戦闘機]]。~
[[トーネード>トーネード（マルチロールファイター）]]の実績をもとに1986年に英・西独・伊の3ヶ国で開発が開始され、まもなくスペインもこれに加わった。~
政治的トラブルによる計画の遅延が頻発し、量産開始は2002年までずれ込んでいる。~
>当初はフランスも関心を示したが、[[エンジン]]設計面の折衝で交渉決裂。~
[[エンジン]]は国際共同開発される方針でまとまり、自国製エンジンの使用を主張したフランスは開発計画から脱退。~
その後、フランスは独自に[[ラファール]]を開発した。
>当初はフランスも計画で主要な位置を示していたが、元々軽量の多目的戦闘機を求めていたことやイギリスの[[エンジン]]設計面及び機体重量の変更提案などで態度を変え、脱退した((この時スペインも脱退したが、後に再参加している。))。~
その後、フランスは独自に[[ラファール]]を開発する。
本機は[[制空戦闘機]]としての性能が追求され、対地攻撃能力は同世代の[[マルチロールファイター]]よりやや劣るとされる。~
[[パルスドップラーレーダー]]、[[IRST]]、先進防御支援システム（DASS）など高度な[[アビオニクス]]を搭載し、音声入力にも対応。~
また、[[主翼]]に[[デルタ]]翼を採用するなど[[静安定緩和]]に務めた設計であり、[[フライバイワイヤー]]による制御なしには操作不能である。~
開発当初の仮称は「F/EFA（Future European Fighter Aircraft：未来のヨーロッパ戦闘機)」。~
1992年には「EF-2000」と改称され、1998年には正式にタイフーンと命名された。~
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本機は開発時点から[[制空戦闘機]]としての性能が追求されたため、対地攻撃能力は同世代の[[マルチロールファイター]]である[[ラファール]]や[[グリペン]]に劣ると評価される場合が多い((一例として、スイス空軍が実施した次期主力戦闘機評価試験（2015年）では、対地攻撃能力においてラファール：7.63、グリペン：5.8、ユーロファイター：5.75の評価が下されている。))。~
一方で、それらに無い[[超音速巡航]]能力があり、[[機動力]]に優れる。~
また、[[パルスドップラーレーダー]]、[[IRST]]、先進防御支援システム（DASS）など高度な[[アビオニクス]]を搭載し、音声入力にも対応。~
機体は[[フライバイワイヤー]]によるコンピュータ越しでの操縦を前提として、[[低翼]]の[[デルタ翼]]と[[高翼]]の[[カナード翼>先尾翼]]を組み合わせるなど[[静安定緩和]]に務めた設計となっている。~
#ref(http://www.masdf.com/altimeter/riat/3rdday/IMG_3541.jpg,600x400);
関連：[[EAP]]~
#ref(http://www.masdf.com/altimeter/riat/3rdday/IMG_3550.jpg,600x400);
**スペックデータ [#u004ab3d]
|乗員|1名/2名（複座型）|
|全長|15.96m（主翼端[[ポッド]]含む）|
|全高|5.28m|
|翼幅|10.95m|
|[[主翼]]面積|50.0��|
|[[主翼]]面積|51.2��|
|空虚重量|11,000kg|
|最大離陸重量|21,000kg/23,500kg（過荷時）|
|最大兵装搭載量|6,500kg|
|[[エンジン]]|ユーロジェット [[EJ200]][[ターボファン]]（[[推力]]60kN/90kN（[[A/B>アフターバーナー]]使用時））×2基|
|最大速度|[[マッハ]]2+|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|18,300m|
|フェリー[[航続距離]]|2,000nm|
|[[戦闘行動半径]]|750nm（[[AAM>空対空ミサイル]]×6発、10分間の[[CAP>戦闘空中哨戒]]）&br;350nm（Lo-Lo-Lo攻撃ミッション時）&br;750nm（Hi-Lo-Hi攻撃ミッション時）|
|総重量|16,000kg|
|最大離陸重量|23,500kg（過荷時）|
|燃料容量|4,996kg（機体内）|
|[[エンジン]]|ユーロジェット [[EJ200]][[ターボファン]]×2基|
|[[推力]]|60kN（[[ドライ推力>ミリタリー推力]]）/90kN（[[A/B>アフターバーナー]]使用時）|
|最高速度|[[マッハ]]2+&br;マッハ1.25（海面上）&br;マッハ1.5（[[超音速巡航]]時）|
|[[航続距離]]|2,900km|
|[[フェリー>回航]]航続距離|3,790km（[[外部タンク>増槽]]×3基）|
|[[戦闘行動半径]]|1,389km（[[AAM>空対空ミサイル]]×6発、10分間の[[CAP>戦闘空中哨戒]]（1,000l[[外部タンク>増槽]]×3基））&br;185km（3時間のCAP（1,000l[[外部タンク>増槽]]×3基））&br;601km（対地攻撃ミッション時、lo-lo-lo（1,000l[[外部タンク>増槽]]×3基））|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|19,812m|
|[[G]]限界|+9G/-3G|
|[[上昇率]]|318m/s|
|[[翼面荷重]]|312kg/��|
|[[推力重量比]]|1.15（[[インターセプター>迎撃戦闘機]]構成）|
|固定武装|[[マウザーBK27 20mm機関砲>BK27]]×1門|
|兵装|[[空対空ミサイル]]（2〜6発）：&br;[[AIM-9「サイドワインダー」>AIM-9]]&br;[[AIM-120 AMRAAM>AIM-120]]&br;ASRAAM（AIM-132）&br;IRIS-T((Infra Red Imaging System Tail/Thrust Vector-Controlled.))&br;[[ミーティア]]&br;[[スカイフラッシュ]]&br;[[アスピデ]]|
|~|空対地ミサイル：&br;[[AGM-65「マーベリック」>AGM-65]]|
|~|[[対戦車ミサイル]]（2発）：&br;ブリムストーン|
|~|[[巡航ミサイル]]（18発）：&br;SCALP-EG/ストームシャドウ&br;タウラス KEPD 350|
|~|[[空対艦ミサイル]]（各4発）：&br;[[AGM-84「ハープーン」>AGM-84]]&br;[[ペンギン]]（[[AGM-119]]）|
|~|[[対レーダーミサイル]]（4〜6発）：&br;[[AGM-88 HARM>AGM-88]]&br;ALARM|
|~|爆弾・ロケット弾ポッド・増槽類等：&br;通常爆弾（500lb級12発、1000lb級7発、2000lb級5発）&br;[[ぺイヴウェイシリーズ（II/III/IV）>ペイブウェイ]]&br;[[GBU-31 JDAM>JDAM]]&br;BL755[[クラスター爆弾]]（6発）&br;DWS-39スタンドオフディスペンサー&br;CVR-7 [[ロケット弾]][[ポッド]]&br;[[増槽]]|
|>|CENTER:兵装|
|[[ハードポイント]]|計13ヶ所&br;主翼下8ヶ所、胴体下部[[パイロン]]ステーション5ヶ所、最大[[ペイロード]]9,000kg|
|[[空対空ミサイル]]&br;（2〜6発）|[[AIM-120 AMRAAM>AIM-120]]&br;[[ミーティア>ミーティア（ミサイル）]]&br;IRIS-T((Infra Red Imaging System Tail/Thrust Vector-Controlled.))&br;AIM-132「ASRAAM」&br;[[AIM-9「サイドワインダー」>AIM-9]]|
|[[空対地ミサイル]]|[[AGM-65「マーベリック」>AGM-65]]&br;ブリムストーン&br;SPEAR 3((Select Precision Effects At Range Capability 3.))（搭載予定）|
|[[巡航ミサイル]]&br;（18発）|SCALP-EG/ストームシャドウ&br;タウラス KEPD 350|
|[[空対艦ミサイル]]|[[AGM-84「ハープーン」>AGM-84]]（計画）&br;シーキラー/マルテER（最大6発搭載可能）&br;JSM（Joint Strike Mssile）（予定）|
|[[対レーダーミサイル]]&br;（4〜6発）|[[AGM-88 HARM>AGM-88]]&br;ALARM|
|爆弾類/ロケット弾|通常爆弾（500lb級12発、1000lb級7発、2000lb級5発）&br;[[ぺイヴウェイシリーズ（��/��/�検�>ペイブウェイ]]&br;[[GBU-31 JDAM>JDAM]]&br;[[GBU-39「SDB」>GBU-39]]&br;HOPE/HOSBO&br;スパイス250&br;CVR-7 [[ロケット弾]][[ポッド]]|
|その他兵装|[[増槽]]×3基&br;「ダモクル」照準[[ポッド]]&br;[[「ライトニング�掘�>ライトニング]][[レーザー]]照準ポッド&br;[[「スナイパー」>AN/AAQ-33]]照準ポッド|
|[[FCS>火器管制装置]][[レーダー]]|ユーロレーダー「キャプター（CAPTOR）」多モードパルス・ドップラーレーダー((トランシェ3では改良型の「キャプターE」[[アクティブフェイズドアレイレーダー]]を搭載予定。))|
|電子装備|DASS（防御支援サブシステム）：以下の機器で構成。&br;防御支援レーダー（DAC）&br;[[レーダー警戒受信機（RWR）>レーダー警戒受信機]]&br;[[電子戦支援装置（ESM）>ESM]]&br;[[レーザー]]警戒受信機（LWR）&br;[[ミサイル]]接近警戒器（MAW）&br;[[チャフ]]・[[フレア]]ディスペンサー&br;[[ジャミング]]発生装置&br;曳航式[[デコイ]]|
|~|[[PILATE（受動式赤外線探知装置）>IRST]]&br;MIDS[[データリンク]]端末（MIDS-LVT(1)）&br;VTAS（Voice and hands-on Throttle And Stick）(([[HOTAS]]とDVIと呼ばれる直接音声入力装置で構成される、パイロットの作業効率を上げる為の装置。))&br;HMSS（ヘルメット装着式シンボリックシステム）&br;（別名「ストライカー」。[[JHMCS]]に該当）|
~
**バリエーション（カッコ内は生産機数） [#vab63f00]
-トランシェ1（Tranche 1）~
--block1（5機（飛行試験用）/31機（量産））：~
--ブロック1（5機（飛行試験用）/31機（量産））：~
DASS（防御支援サブシステム）を搭載していない初期量産型。~
複座型で初期の乗員訓練と防空訓練のみに使用。~
イギリスでは「タイフーンT.1」、スペインでは「CE.16」の名称で呼ばれている。~
飛行試験用の5機と量産機31機が生産された。~
~
--block2（47機）：~
--ブロック2（47機）：~
防空能力を高め、完全な初期作戦能力を持った型。~
メインコンピュータのソフトウェアをPSPIからPSPI2に変更し、一部簡略化されたDASSを搭載。~
また、キャプター[[レーダー]]や[[IFF装置>敵味方識別装置]]、MIDS（多機能情報伝達システム）はある程度の[[センサー融合>センサーフュージョン]]がなされた他、簡易版の自動操縦装置、マイクロ波着陸装置、直接音声入力装置を搭載する。~
キャプター[[レーダー]]や[[IFF装置>敵味方識別装置]]、MIDS（多機能情報伝達システム）はある程度の[[センサー融合>センサーフュージョン]]が為された。~
簡易版の自動操縦装置、マイクロ波着陸装置、直接音声入力装置を搭載する。~
イギリスでは「タイフーンF.2」、スペインでは「C.16」の名称で呼ばれている。~
~
--block2B（38機）：~
block2にケアフリーシステムを追加した機体。~
---ブロック2B（38機）：~
ブロック2にケアフリーシステムを追加した機体。~
~
--block5（21機）：~
--ブロック5（21機）：~
完全作戦能力を持った機体。~
[[ペイブウェイII>ペイブウェイ]]や1,000lb通常爆弾の携帯が可能になった他、[[BK27]]の空対地使用が解禁され、DASS、直接音声入力装置、センサー融合共に完全な能力を得た。~
[[ペイブウェイ��>ペイブウェイ]]や1,000lb通常爆弾の搭載が可能。~
[[BK27]]の空対地使用が解禁され、DASS、直接音声入力装置、センサー融合共に完全な能力を得た。~
また[[PIRATE（赤外線捜索追跡装置）>IRST]]を追加した（独向け機体を除く）。~
イギリスでは単座型は「タイフーンFGR.4」、複座型は「タイフーンT.3」の名称で呼ばれている。~
~
--block5A（15機）：~
block5に準じたオーストリア向けの機体。~
--ブロック5A（15機）：~
ブロック5に準じたオーストリア向けの機体。~
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-トランシェ2（Tranche 2）~
--ブロック8/8A/8B：~
能力向上と新しいミッションコンピューターを導入した機体。~
初期のソフトウェアはブロック5と同じだが8A/8Bではバージョンアップしている。~
オーストリア向け残り9機はこの仕様。~
~
--ブロック10：~
ペイブウェイIIIや[[JDAM]]等が携帯でき、スイングロール((空対空と空対地任務を同時に行う事。))が可能になった。~
ペイブウェイ�靴�[[JDAM]]等が携帯でき、スイングロール((空対空と空対地任務を同時に行う事。))が可能になった。~
また、[[GPS>全地球測位装置]]、[[IFF>敵味方識別装置]]、MIDSの能力が強化された。 ~
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--ブロック15：~
ストームシャドウ[[巡航ミサイル]]、タウラスKEPD 350巡航ミサイル等、空対地能力を更に向上させ、最大離陸重量を引き上げた。~
ストームシャドウ・タウラスKEPD 350[[巡航ミサイル]]等、空対地能力を更に向上させ、最大離陸重量を引き上げた。~
スイングロール能力も向上している。~
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-トランシェ3（Tranche 3）~
対地攻撃能力を完全実装した生産型で、開発参加四カ国合計で236機導入の予定。~
しかし、ドイツでは連邦議会が調達削減を求めるなど先行きは不透明。~
対地攻撃能力を完全実装した生産型で、3Aと3Bの二種に分けて調達する予定。~
トランシェ3Aは合計112機の調達を確定させたが、トランシェ3Bは各国における防衛費削減を原因として先行きは不透明。~
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--ブロック20：~
[[ESM]]/[[ECM]]機能の強化、DASSの探知距離延伸などを予定。~
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--ブロック25：~
サウジアラビア向け。24機。~
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--ブロック30：~
オマーン向け。~
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-トランシェ4：~
[[ドイツ空軍>ルフトバッフェ]]がトランシェ1の代替として調達するモデル。~
トランシェ3Aをベースにアップデートを行ったもの。~
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-ユーロファイター2020：~
ユーロファイター・コンソーシアムの公式広報誌「ユーロファイター・ワールド」2011年2月号で掲載されたコンセプト。~
主翼前端に[[LERX>ストレーキ]]を追加し、EJ200エンジンの推力増強と推力偏向ノズルの導入、[[CFT>コンフォーマルタンク]]への対応などの改良が行われる。~
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