【ミッドウェイ】(みっどうぇい)

CVB-41 USS Midway(後にCVA-41、CV-41)
ミッドウェイ級航空母艦の一番艦。艦名は1942年6月のミッドウェー海戦に由来する。

1941年の真珠湾攻撃で、日本海軍の空母機動部隊によって主力戦艦の多数を撃沈されるという屈辱を受けたアメリカ海軍が、その雪辱を果たすため威信を懸けて建造した大型空母である。
しかし進水は1945年3月20日、就役は同9月10日という、太平洋戦争に「間に合わなかった」空母でもある。
米海軍初の、飛行甲板装甲を張り巡らせた空母*1としても知られる。
排水量を大きくして飛行甲板を拡大する一方、アイランド?を薄型にして100機以上のレシプロ機を搭載することができたが、艦の搭載力が管制能力を超えてしまったため、就役当初はオーバースペックと評価された。

しかし、朝鮮戦争に前後して艦載機がジェット化すると、大型の機体を運用するには都合がよいとして再評価された。
また原子爆弾を搭載したP2V哨戒機JATOで離艦させる*2という、戦略兵器としての側面も持ち合わせていた。
とはいえ、レシプロ時代の直甲板ではジェット機の運用に不都合であったため、1955年から1957年にかけて大改修が施され、斜め飛行甲板蒸気カタパルトミラーランディングシステム?といったジェット時代の空母装備が追加された。
また当初は5インチ艦載砲などの火器を有していたが、徐々に撤去され、ファランクスシースパローへ置換されていった。

1965年からベトナム戦争へ参戦。エセックス級では扱えないF-4などの強力な機体を運用した。
その後第2次改修を受け、1973年以降は日本の横須賀基地を母港とした。
航空母艦が母国以外の港を母港とすることは極めて画期的なことだった。

しかしながら、「フォレスタル」級以後のいわゆるスーパーキャリアーとは異なり、A-5F-14といった大型の艦載機を運用することができず、活躍の場を徐々に狭めていくこととなる。
1986年にF-4A-7が引退した後は第3次改修を受け、F/A-18を主な搭載機としたが、その頃には老朽化が深刻であり、艦齢46を数える1991年、湾岸戦争へ参戦した後に退役した。
なお同型艦の「フランクリン・ルーズヴェルト」は1977年に退役、エレベーターの配置を改良された「コーラル・シー」も1990年に退役している。

スペックデータ

基準排水量
(就役時/改装後)
45,000t/52,500t
満載排水量
(就役時/改装後)
60,000t/65,200〜74,000t
全長
(就役時/改装後)
295m/298.4m
全幅
(就役時/改装後)
34.4m/41.5m(最大幅:72.5m)
吃水
(就役時/改装後)
10.1m/10.7m
機関ウェスティングハウス式蒸気タービン×4基4軸推進(出力212,000hp(158MW))
最大速力33ノット
航続距離11.520海里(15ノット時)
乗員士官・兵員4,104名
兵装Mk16 54口径5インチ(127mm)砲×18門、ボフォース4連装40mm機関砲×21門、
エリコンFF 20mm機関砲×68門
改装後:
Mk25「GMLS」8連装SAMランチャー×2基(シースパローを装備。)、ファランクスCIWS×2〜3基
搭載機130機(計画)/100機(実際)ジェット機65機〜68機


同型艦

艦番号艦名主造船所起工進水就役退役
CV-41ミッドウェイ
(USS Midway)
ニューポート
・ニューズ
1943.10.271945.3.201945.9.101992.4.11
CV-42フランクリン・ルーズヴェルト
(USS Franklin D. Roosevelt)
ニューヨーク
海軍造船所
1943.12.11945.4.291945.10.271977.9.30
CV-43コーラル・シー
(USS Coral sea)
ニューポート
・ニューズ
1944.7.101946.4.21947.10.11990.4.26

*1 日本海軍では「大鳳」「信濃」が飛行甲板を装甲化していた。
*2 ただし着艦はできないため、目標近くの友好国へ着陸するか、または制海権内で不時着水する必要があった。

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