【ミサイリアー】 †
- 「目視外射程空対空ミサイルの発達により、戦闘機は空対空ミサイルを運ぶだけの存在になる」
というミサイル万能論の思想の下に構想・開発された、機関砲を持たず大量のミサイルのみで武装した大型の戦闘機。
代表的な機種はF-4ファントム2、MiG-25フォックスバット、Tu-128?フィドラーなど。
しかし、この構想は1960年代のベトナム戦争の戦訓から破綻をきたしてしまう。
当時、アメリカ軍は機関砲を標準装備していないF-4を主力機として投入していたが、対戦した北ベトナム空軍のMiG-17、MiG-19、MiG-21はいずれも機関砲を装備し、軽量小型で俊敏な空戦機動を発揮していた。
(政治的理由から)目視外射程での交戦を禁じられていたり(後に解禁)、ミサイルの保管・整備体制の不備、パイロット(エビエーター)の間で伝えられてきた空中戦のノウハウ断絶などの要因から、米軍は思わぬ苦戦を強いられ、誤った思想であると世界的に認知されてしまった。
(AIM-7、トップガンの項も参照のこと)
このように一度は否定された本構想であるが、後年、更なる戦訓の蓄積や電子機器の小型化・高性能化・信頼性向上により、復権の兆しも見られている。
JSF構想により開発が進められているロッキード・マーティンF-35では、空軍型のA型を除いて機関砲の装備が省かれている*1。
- アメリカ海軍の艦載戦闘機・ダグラスF6D「ミサイリアー」。
長射程ミサイルのみで武装した艦隊防空戦闘機。ただし実用化はしなかった。
ただし、専用のガンポッドが用意されており、必要に応じ装備できるようになっている。