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*&ruby(まんすとっぴんぐぱわー){【マンストッピングパワー】}; [#v93969f8]
man-stopping power~
銃弾が人体や動物といった目標に命中した際、それを突き飛ばすように打ち倒す能力のこと。人体打撃力、人体抑止力とも言われる。~
言ってみれば、撃たれた人間がその後どの程度動けるか(どの程度の傷を負うか)が能力の大小につながる。例えば、対象が撃たれた後激痛でのた打ち回ってまともに身動きが取れなければ、それは対象を撃った弾丸のマンストッピングパワーが大きいとされる。~
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同クラスの弾薬であれば、弾頭の質量が大きい程ストッピングパワーが大きくなる傾向がある。~
或いは、初速を増すことでもストッピングパワーを上げることができるが、この場合はかなりの高速弾でなければ差が出ない。~
[[小銃弾]]が顕著な例で、多くが[[拳銃弾]]より格別に小型軽量の弾頭でありながら、桁違いに高初速な為、非常に高い威力を発揮する。~
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[[デストラクションパワー]]と同様に客観的な数値表現が困難であり、混同されることも多い。~
一般に、[[デストラクションパワー]]の優れる弾丸はマンストッピングパワーも優れるが、マンストッピングパワーの優れた弾丸が[[デストラクションパワー]]に優れるとは限らない。~
後者の代表として、[[.45ACP]]のように大口径で低速の弾丸が挙げられる。~
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[[CQB]]や市街戦など近距離の銃撃戦では、目標を殺傷するよりも、まず目標の戦闘力を奪うことが優先される場合がある。~
そのとき、小口径で高速の[[小銃弾]]は、目標命中後の挙動が不安定になり[[デストラクションパワー]]が優れるが、場合によっては貫通してしまいマンストッピングパワーに欠ける場合がある。~
その場合、重い弾丸などで目標を倒すマンストッピングパワーが重視され、小口径の[[突撃銃]]に替わり大口径の[[バトルライフル]]が再度注目されるようになった。~
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現に、[[第二次世界大戦]]後最も激しい市街戦のひとつだった[[ブラック・シーの戦い]]では、[[民兵]]を[[小銃弾]]で撃っても弾が貫通してしまうことでそのまま走り去ったり物陰に隠れてしまうことが多く、撃った相手が確実に行動不能になったかどうかが分からなかった。

銃弾が人間の心身に与える致死的な影響力。「人体打撃力」「人体抑止力」とも。~
数学的推定は困難であり、撃たれた人間の行動が短期的にどの程度阻害されたかが判断の基準となる。~

日常や戦場で人が持ち歩く銃に、人の体を挽肉に変えるほどのエネルギーを与えるのは現実的でない。~
従って、ほとんどの銃は人に致命傷を与え得るものではあっても、人を確実に即死せしめるものではない。~
銃創が人間の活動能力にどれだけの影響を与えるかは、明らかに即死の場合を除いて未知の部分が多い。

>おそらく、様々な条件下で様々な人間を射殺・解剖する実験を行えば科学的に解明できるのだろう。~
しかし現実問題として、そのような残虐きわまる人体実験を行う事はできない。

一般論として、銃弾に引き裂かれる細胞の数が多ければ多いほど潜在的な人体抑止力が高い。~
したがって、弾丸が重く、[[初活力]]が高いほど人間を効率的に抑止し、殺害できる事になる。

また、人体は一般に上下や左右に長く、前後の厚みは薄く、そして痛覚が体の表面に集中する。~
従って、貫通力を増して銃弾が奥深くまで侵徹できるようにしても人体抑止力はさほど向上しない。~
むしろ弾丸を変形・拡散させ、水平方向に幅広く傷を広げる工夫が重要となる。

関連:[[ショットシェル]] [[防弾チョッキ]]



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