【マトカ型】 †
1976年にソ連で開発された水中翼ミサイル艇。
ソ連での名称は206号計画「ヴィーフリ（Вихрь：旋風）」型大型ミサイル艇と呼ばれる他、1番艇の艦名からR-27級大型ミサイル艇(РКА типа Р-27)や206MR型とも呼ばれる。
NATOコードではマトカ（матка：ロシア語で「子宮」を意味する）型と呼ばれる。
206M号計画「シュトールム（Шторм：時化）」型大型魚雷艇の発展型として開発され、船体は206M型を継承しているが、上部構造は複雑なミサイルシステムを運用するために大型化され、また、トップヘビーを抑えるために軽量素材が使われている。
1976年から1983年までに11隻が建造され、カスピ小艦隊・バルト艦隊・黒海艦隊へと配属され、ソ連崩壊後は、黒海艦隊所属艦はR-44を除く5隻すべてがウクライナ海軍へと譲渡された。
なお、2008年に発生した南オセチア紛争?において破壊されたグルジア海軍所属のミサイル艇2隻のうちの1隻「トビリシ」はウクライナ海軍から譲渡された本級である。
スペックデータ †
艦種：大型ミサイル艇
全長：38.6m
全幅：7.6m(艇体幅)/12.5m(水中翼間)
喫水：2.1m(艇体高)/3.26m(水中翼高)
排水量：230t（基準）/257t（満載）
機関：M-504 3倍膨張式ディーゼルエンジン3基 2軸推進（15,000馬力）
電源：ディーゼル発電機3基（200kWt）
速力：42.3kn（最大）/14kn（巡航）
航続距離：1450浬（14kn）/600浬（37kn）
乗員：士官5名、水兵24名
武装
P-15M「テルミート」艦対艦ミサイル発射機 2基
AK-176 76mm単装両用砲 1基(弾数300発)
AK-630 30mm6砲身機関砲（CIWS）2基(弾数1,000発)
9K34「ストリラー3M」個艦防空用艦対空ミサイル発射機 1基(弾体16発)
レーダー・電子装備など
「ガルプーン」水上策敵レーダー 1基
MR-123/176「ヴィーンペル」射撃管制レーダー 1基
「ドン」航法レーダー 1基
同型艦 †
| 竣工年 | 所属艦隊 | 艦名（改称前） | 艦名（改称後） | 現状 |
| 1977年 | ------ | R-27 | ------ | ------ |
| 1978年 | 黒海艦隊 | R-44 | ----- | 現役 |
| 197*年 | カスピ小艦隊 | R-50 | カラチャーエヴォ＝チェルケーシヤ | |
| 197*年 | バルチック艦隊 | R-221 | ------ | |
| 197*年 | ------ | R-254 | ------ | |
| 1979年 | ウクライナ海軍（元黒海艦隊） | R-260 | U152 ウーマニ | 予備役 |
| 1979年 | ウクライナ海軍（元黒海艦隊） | R-262 | U153 プルィルークィ | 現役 |
| 1980年 | ウクライナ海軍（元黒海艦隊） | R-265 | U154 カホーウカ | 現役 |
| 1981年 | ウクライナ海軍（元黒海艦隊） | R-251 | U151 ツュループィンシク | 退役 |
| 1981年 | ウクライナ海軍（元黒海艦隊） | R-15 | U150 コノトープ | *1 |
| 198*年 | カスピ小艦隊 | R-25 | ------ | ------ |
| 1983年 | カスピ小艦隊（元バルト艦隊） | R-30 | ブジョーノフスク | 現役 |
