【マイル修行僧】(まいるしゅぎょうそう)

航空会社が提供するマイレージサービスを受けたり、上級会員になるためだけに飛行機に乗り、狭い座席で何時間もの苦行に耐える、一種の航空マニアの事。
「マイレージジャンキー」「a milage run(マイレージラン)」とも呼ばれる。

彼らは旅のために飛行機に乗るではなく、とにかく1マイルでも多くのマイルを得るために飛行機に乗るので、「成田発〜香港経由〜ロサンゼルス着」や、「シンガポール経由・南周り欧州行き」*1など、あえて遠回りしたり、特に必要もないのに短距離路線を数往復したり、周遊飛行をしたりと、ありとあらゆる手段でマイルを獲得しようとする。

上級会員になると「空港での会員専用ラウンジ利用権」「優先チェックイン」「優先搭乗」「座席のグレードアップ」「フライトアテンダントが挨拶に来る」等々の特典が得られる。
これが、彼らが「修行」を続ける上でのモチベーションとなっているという。

航空会社でも一時期は「どのような形であれ搭乗していただけるのはありがたく、条件を満たせば特典は差し上げる」などと歓迎していたこともあるが、近年では「上級会員へ移行するためのマイル取得基準を厳格化*2」するなど、ステータス獲得の抜け穴を埋める方向で対応しているという。


*1 冷戦当時、ソ連政府が外国民間機の領空通過を制限していた時代はメジャーな路線だったが、現在はほとんど廃れている。
*2 「取得マイルの大半を自社便で得ていないとステータスアップができない」「安い運賃の航空券を利用した際の獲得マイル数を減らす」など。

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