【マーク1】(まーくわん)

第一次世界大戦で登場した、世界最初の戦車

第一次世界大戦においてイギリス、ドイツ両軍は強固な陣地を構築してお互いに動きが取れなくなってしまい、塹壕を奪い合うための突撃を繰り返す一進一退の消耗戦に陥った。
これに対しイギリス軍では、装甲で完全に防御された車両で敵を次々となぎ倒しながら塹壕などを突破し、それに続く歩兵で陣地を一気に制圧するという概念の基に「陸上戦艦」の開発がスタートした。
いくつかの試作車が作られた後、1916年3月には遂にマーク1戦車として制式採用された。
試行錯誤の時代であり、2本の履帯の間にエンジンと操縦席を配置したため、横から見ると平行四辺形の形をした、現在の戦車とはかなり異なる風貌になっていた。
敵陣地攻撃を重視して車体の側面に2門の6ポンド砲を搭載したオス型と、歩兵掃討を目的として6挺の機関銃を装備したメス型が作られた。

その後、この新兵器はソンム会戦において初めて実戦に投入されたが、数が少なく故障も多かった事があり華々しいデビューとはいかず、イギリス軍も大損害を受けたが、この兵器の有効性自体は確認されたこともあり、以降改良型が次々と開発されることとなった。

なお、戦車を表す「タンク」という呼称は、マーク1を開発するに当たって「水を運搬する車両」という事にしていて、これが定着したことに由来する。
(また、別の説では英軍の情報部が潜入していたドイツ側のスパイへの対策として「あれは前線の陣地に送る飲料水タンク」と吹聴していたのが定着した、というのもある)


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