【ボムレット・ディスペンサー】(ぼむれっとでぃすぺんさー)

bomblet dispenser
攻撃機に搭載し、大量の小爆弾(ボムレット)を散布するための装置。

小さな爆弾を散布するという点においてクラスター爆弾に類似するが、それ自体は投下しない点が異なり、飛行中の攻撃機から連続的に絨毯爆撃?をおこなうことができる点で優れる。
広範囲を爆撃することが可能ではあるが、小爆弾の破壊力は限定的なものであることから、敵基地の滑走路などを破壊する阻止攻撃が主な任務となる。少量の爆薬滑走路装甲などにダメージを与えられるよう、小爆弾には成形炸薬弾を採用することが多い。
サイズは翼下パイロンに吊り下げる程度のものから、母機胴体下面の大半を占めるものまである。大きなものほど大量の小爆弾を装填可能であるが、当然ながらペイロードなども増大する傾向にあり、そのぶん搭載可能機種や作戦内容に制約を受ける。

トーネードIDS用に開発されたルフトバッフェ向けのMW-1や、同じくRAF向けのJP233が有名であり、同機を象徴する兵装となっている。
しかし低空からベルト状の目標を爆撃するという戦術から、母機の飛行ルートを容易に予想されてしまうというリスクがある。湾岸戦争に参加したトーネードは、イラク軍?の滑走路端に待ち受けていた高射砲の無照準放火によって多数が撃墜された。
近年では、母機が爆風を受けることを避けるための曳航式ディスペンサーや、母機が迎撃されるリスクを避けるため滑空機のように離れて飛ぶ滑空式ディスペンサー(AGM-154 JSOWやTaurus KEPD 150/350など)も登場している。


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