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*&ruby(ぺんとみっく){【ペントミック】}; [#b1ed6b19]
Pentomic.~
Pentomic.((「5つ」「5番目」を意味する"Penta"と「原子力」を表す"Atomic"の合成。))
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[[冷戦]]初期の1950年代、アメリカ陸軍が採用していた[[歩兵]][[師団]]の編制。~
正式には「ROCID[[再編成]]型歩兵師団」という。~
言葉の語源は「5つ」または「5番目」を意味する"Penta"と「原子力」を表す"Atomic"の合成である。~
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この当時、[[戦術核兵器]]の実用化によって最前線の陸上戦闘でも[[核兵器]]が使用されるケースが想定されるようになっていた。~
この想定で研究を進めた結果、従来の歩兵師団の固定化された編制では、ひとたび戦闘中に核攻撃を受けると一撃で壊滅させられる危険があることがわかり、万が一の際に被害を局限できる編制が求められることになった。~
当時は[[戦術核兵器]]が実用化された直後であり、戦闘中の[[核兵器]]使用が想定される情勢であった。~
この想定において、従来の編制では核攻撃によって一撃で壊滅させられる危険性が高い。~
このため、万が一に際して被害を軽減できる編制が求められることになった。~
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この編制では、従来の歩兵師団の編制のうち、隷下に数個ある各歩兵連隊の~
「連隊−大隊−中隊−小隊−分隊」~
という基本編制を分解して~
「連隊−中隊−小隊−分隊」~
とし（大隊を廃止）、さらに連隊自身も「連隊戦闘群」に再編の上、師団司令部隷下に5個の連隊戦闘群を置くこととされた。~
各連隊戦闘群は5個小銃中隊及び1個戦闘支援中隊（[[迫撃砲]]装備）((後に「[[デビークロケット]]」核ロケット弾も配備))からなり、この戦闘群一つ一つに支援部隊（[[戦車]]隊や砲兵・工兵・航空隊・[[兵站]]など）を配分して自立的に行動できるようにし、広大な範囲に被害を与える核兵器に対する対応力を高めることを狙っていた。~
~
しかし、実際に運用をしてみると種々の問題点が指摘された。~
-[[第二次世界大戦]]や[[朝鮮戦争]]などで実戦を経験した幹部が少なくなっていたため、新編制での訓練への対応が問題となった。
-「大隊」の単位がなくなったため、連隊司令部が直接中隊を統制することになり、連隊長以下司令部スタッフの負担がさらに増大した。
-歴史と伝統のある「連隊」の編成を一度壊して新たに作り直すこととなったため、将兵の[[士気]]に与える影響が無視できなかった。
しかし、試験的運用を経た1960年には、後述の問題点から編制の見直しが検討された。~
1963年には「ROAD(Reorganization of the Army Division)師団」という新たな編制が考案。~
全ての歩兵師団がこれによって再改編され、ペントミック編成はアメリカ軍から姿を消す事になった。~
一方、フランス陸軍、オーストラリア陸軍、[[陸上自衛隊]]では現在でも師団編制に取り入れられている。
…などなど。~
**ペントミック編成の概要 [#b99d61bf]
師団隷下の歩兵連隊において、「連隊−大隊−中隊−小隊−分隊」という基本編制を分解。~
「連隊戦闘群−中隊−小隊−分隊」の構成に再編し、師団の司令部隷下に5個の連隊戦闘群を置く事とされた。~
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このため、1960年には早くも編制の見直しが検討され、1963年には「ROAD(Reorganization of the Army Division)師団」という新たな編制が考案されて全ての歩兵師団がこれに再改編、アメリカ軍からは姿を消すことになった。~
個々の連隊戦闘群は5個の小銃中隊と1個[[迫撃砲]]中隊((後に「[[デビークロケット]]」核ロケット弾も配備))からなる。~
この戦闘群ごとに[[戦車]]・[[砲兵]]・工兵・航空隊・[[兵站]]などを配分して自立的に行動させる。~
これにより、広大な範囲に核兵器の被害が及んでも残存兵力による対応が可能だと目されていた。~
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米陸軍では早々と見捨てられたこの編制であるが、フランス陸軍やオーストラリア陸軍、日本の[[陸上自衛隊]]においては師団編制のモデルとして取り入れられ、フランスや日本では、現在でもこれをモデルとした師団編制を採用している。
しかし、実際に運用をしてみると種々の問題点が指摘された。~
>新編制での訓練への対応が問題となった。~
[[第二次世界大戦]]や[[朝鮮戦争]]などで実戦を経験した幹部が少なくなっていたため。
>連隊長など司令部スタッフの負担が非常にに増大した。~
「大隊」が解体されたため、連隊司令部が各個の直接中隊を直接統制する事になったため。
>将兵の[[士気]]に与える影響が無視できなかった。~
歴史と伝統のある「連隊」の解体する事になったため。
