【ペンシルロケット】
戦後初の国産・研究用ロケットである。全長30cm重量200g程度の固体燃料ロケットである。飛翔の様子を外部から観測することにより、後の大型ロケット開発のためのデータを得ることを目的とした。研究の段階では「タイニーランス」と呼ばれていた。
1952年サンフランシスコ講和条約により日本での航空研究開発が可能になったため、東京大学生産技術研究所AVSA（Avionics and Supersonic Aerodynamics）研究班（旧第2工学部）がロケット開発をスタートした。
1955年1月、全長23cm 直径1.8cm 重量200gのペンシルロケットが完成した。そして、東京国分寺の工場跡地で水平発射、複数枚の紙のスクリーンを貫通させ（飛翔速度・経路観測のため）、砂場に突き刺さった。
初の打ち上げ実験はペンシル300（全長30cm 直径1.8cm 重量230g）。1995年8月6日秋田県道川海岸での斜め発射により行われ、1度目の発射はランチャーの取り付けが甘く、地上を暴走したが、1時間後の2度目の発射で到達高度600m、水平距離700mを記録した。対外的なデモンストレーション的な意味もあったことだろう。
そして、次の段階となる2週間後の2段式ベビーロケット?打ち上げへと進む。
いずれのロケットも観測・誘導機器は搭載できないため、文字通り大型のロケット花火である。
ちなみにAVSA研究班リーダー糸川英生教授は、戦時中は帝国陸軍戦闘機の開発に携わっていた。
参考リンク JAXA宇宙科学研究本部ISASニュースNO.217 （http://www.isas.jaxa.jp/docs/ISASnews/No.217/ISASnews217.html#index）
