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*&ruby(ぺるそな・のん・ぐらーた){【ペルソナ・ノン・グラータ】}; [#g0b18493]
persona non grata.~
>ラテン語で「好ましからざる人物」「歓迎されざる人物」の意。

外交使節を受け容れる側の接受国が、使節の受け入れを拒否する事。~
特定の個人を対象として「歓迎に値しない人物である」と宣告し、派遣元に交代を要求する。~
外交官・書記官・参事官・[[駐在武官]]・領事・その他の外交特権を与えられる全ての人間を対象にできる。~
滅多にある事ではないが、たとえ国家元首であってもペルソナ・ノン・グラータを宣告される可能性はある。~
~
外交用語の一つ。ラテン語で「好ましからざる人物」の意味で、慣用的に「歓迎されざる人物」を指すこともある。~
外交使節を交換している国家の間で、接受国はいつでも使節の派遣元の国に対し、特定の外交官が「歓迎されざる人物」であると通告できる((接受国はその理由を公表する義務はないが、派遣されてきた外交官が[[スパイ]]・密貿易その他の触法行為に関与している疑いが強くなった際に発動されることが多いという。))。~
~
この宣告を受けた外交官の派遣国は、その者の外交官としての任務を終了させ、本国へ召還させなければならない。~
また、この意思表示はその者が任務地の領域に入る前からいつでもなすことが可能で、外交官以外の使節団職員(書記官・参事官もしくは[[駐在武官]])、または領事に対しても同様の制度がある。
なぜ歓迎に価しないのか、という点について根拠・理由を明示する義務はない。~
理由なく宣告された場合、その理由は[[スパイ]]・密貿易・[[テロリズム]]などに関係するものと推定される。~
単純に品性下劣であるから宣告するという場合もあるが、それによって非難を受ける事は普通ない((例えば「外交特権がなければ強制わいせつ罪の現行犯で逮捕されていたはずの人間」に宣告された例がある。&br;  とはいえ、宣告すると外交関係に軋轢が生じるため「品性下劣な人物」をあえて黙認する事もある。&br;  特定の外交目的を持たずに「訪問」する王族・皇族・独裁者の親族などは特にそのような傾向が強い。))。~
実際、本来の意図は「恥知らず」を外交交渉から穏便に排除する事であって、[[スパイ]]対策ではない。

>宣告される理由は明白に犯罪的な行為の証拠を含む場合も、単に儀礼上のトラブルである場合もある。~
どちらにせよ、国家の公式見解として宣告する以上、その背景にはそれなりに深刻な事情がある。~
誰かの個人的な嫌悪感からペルソナ・ノン・グラータが宣告される、などという事は普通あり得ない。

この宣告を受けた人物は、一定期間後に外交特権を剥奪される。犯罪容疑があれば逮捕拘禁も可能。~
ただし、派遣国はその前に当該人物を本国に呼び戻す事ができるため、実際に逮捕に至る例はほとんどない((帰国後に本国で懲戒や処罰を受ける可能性はあるし、特に深刻な事態では[[暗殺]]の危険も生じ得る。&br;  官僚であればその後の人事評価に大きく影響する事は間違いない。))。~


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