【ベレッタ】(べれった)

Fabbrica d'Armi Pietro Beretta

イタリアにある大手銃器メーカー。
正式名称は「ファブリカ・ダルミ・ピエトロ・ベレッタ S.p.A.(Fabbrica d'Armi Pietro Beretta S.p.A. 和訳: ピエトロ・ベレッタ火器工業)」。しばしば略して「ベレッタ」や「ピエトロ・ベレッタ」と呼ばれる。
本社はイタリア北西部ロンバルディア州ブレシア郊外のカルドーネ・ヴァル・トロンピア。
ベレッタ社の設立は公式な記録では1680年であるが、それ以前からベレッタ家は銃器の製造を行っていた。
最古のものでは1526年にヴェネツィアがマエストロ・バルトロメオ・ベレッタ(ここでの「マエストロ」は“親方”の意)に対しマスケット銃を注文したという記録が同社に保管されている。

創始者バルトロメオ・ベレッタ氏(1498〜1565)に始まり、ビジネスを最初に拡大させたピエトロ氏(1791〜1853)やその息子であり国際企業へと発展させたジュゼッペ氏(1840〜1903)が基礎を作り固めたといわれている。
近代的な生産技術を導入したジュゼッペ氏の息子、ピエトロ氏(1870〜1957)とさらにその息子達、ジュゼッペ氏(1906〜1993)とカルロ氏(1908〜1984)が軍需産業と民間産業の両面で成功し、多国籍企業へ発展していった。
経営は現在までベレッタ家の一族によってされており、1791年生まれのピエトロ氏はジュゼッペとカルロ兄弟の曽祖父にあたる。

第一次世界大戦中、ピストル不足に悩むイタリア軍からの発注でM1915を開発。これをきっかけにイタリア最大の拳銃メーカーとなる。
1934年にはM1934がイタリア軍の制式拳銃として採用され、第二次世界大戦ではイタリア軍に武器を供給した。
イタリア政府降伏の後一時的にドイツに接収されたが、終戦後に残った部品を集めてM1934の生産を再開した。
1956年にはメルボルンオリンピックのクレー射撃でベレッタ社の銃が初めて金メダルを獲得し、その後もオリンピックや世界選手権で数多くのメダルを勝ち取っている。
1985年にはアメリカ陸軍がコルト・M1911A1の後継拳銃にM92FをM9として制式採用する。

ショットガンメーカーであるベネリやフランキ、さらには精密狙撃ライフルメーカーでもあったフィンランドのサコー、およびその傘下のティッカ社を買収・傘下に置き、拳銃、ライフル銃、サブマシンガン、散弾銃など幅広い銃器類を生産しており、軍・警察・民間・競技用として世界各国で使用されている。
現在ではベレッタ一族の指揮の下、ベレッタHDグループは銃器のほかにも光学機器や競技用具(手袋やアイウェア)も製造・販売しており、2500名以上の従業員を抱える多国籍企業へと成長。
歴史・規模ともにイタリアはもちろん、世界を代表する老舗名門銃器メーカーと言える。

主な製品

  • 自動拳銃
    • M1915
    • M1919
    • M1934
    • M1951
    • M84
    • M92
    • M8000
    • M9000S
    • Px4 Storm
    • 90-Two
    • M950 ジェットファイア
    • M3032 トムキャット
  • 機関拳銃
  • 短機関銃
    • Modello 1938A モスキート
    • M12
    • M3
  • 小銃
  • 機関銃
    • MG42/59(ラインメタル MG3のライセンス生産)
    • ブレダM37重機関銃
  • 散弾銃
    • 1201FP
    • AL391
    • M2
    • M3P
    • S682
    • SO 5 グランプリ
    • Tx4 Storm

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