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*&ruby(ぶろーくんあろー){【ブロークンアロー】}; [#i0e25de6]
Broken Arrow.~
[[核兵器]]の紛失事故を意味する[[アメリカ軍]]におけるコードネーム。~
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[[アメリカ空軍]]で用いられていた符丁で、[[核兵器]]の紛失事故が発生した事を意味する。~
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[[戦略哨戒]]任務についた[[戦略爆撃機]]が滞空中に発生させる事が多く、重大事故も何度も発生している。~
この理由から[[核兵器]]の運用に[[航空機]]を用いるのは忌避されるようになり、[[弾道ミサイル]]や[[戦略潜水艦]]に置換されていった。
-1950年、[[ウラニウム]]型[[原子爆弾]]を搭載したアラスカを飛行中の[[B-36]]が墜落。当初海中に没したと思われたが、3年後の1953年にカナダにおいて発見。起爆しなかった原爆は回収された。
**主な事例 [#ue1d6429]
:1950年|アメリカのアラスカ州。~
[[B-36]]が[[墜落]]、搭載していたMk.4[[ウラニウム>ウラン]]型[[原子爆弾]]が一時行方不明に。~
機体ごと海中に没したと思われていたが、1953年にカナダで[[原子爆弾]]が発見・回収された。
-1957年、アメリカのニューメキシコ州を飛行中のB-36から[[水素爆弾]]が落下。起爆せず、後に回収される。
:1957年|アメリカのニューメキシコ州。~
飛行中の[[B-36]]から、搭載されていたMk.17[[水素爆弾]]が落下。~
水爆は起爆せず、後に回収される。
-1966年、スペイン上空において4基の[[水素爆弾]]を搭載した[[B-52]]が墜落し、全ての水爆が落下。後の回収作戦により1発は回収されたが、2発は地上で飛散し[[放射能]]汚染を引き起こした。残る1発は海中に没したと見られ、2008年現在行方不明である。
:1961年|アメリカのノースカロライナ州ゴールズボロ、シーモア・ジョンソン[[空軍基地>飛行場]]近郊。~
[[B-52G>B-52]]が墜落、搭載されていたMk.39水素爆弾2発が落下。~
うち1発は衝撃で起爆装置が作動した上4つの安全装置のうち3つが解除されるも、奇跡的に起爆しなかった。~
もし爆発した場合、首都ワシントンおよびフィラデルフィア・ニューヨークは壊滅したものと推定される。
ほか、10回以上の事故が発生している。~
こうした事故は、[[戦略哨戒]]において、核爆弾を積んだ[[爆撃機]]を常時滞空させる形式をとっていたために起きた事故であり、後にこれらの教訓から、[[弾道ミサイル]]の長射程化や[[戦略潜水艦]]の整備などによって紛失のリスクを軽減するようになった。
:1965年|日本・九州沖の公海上（現在では日本の[[排他的経済水域]]）、喜界島の南東約150キロ。~
[[空母>航空母艦]][[タイコンデロガ>タイコンデロガ(航空母艦)]]にて、[[A-4E>A-4]][[攻撃機]]が[[エレベーター]]から海中へ転落。~
搭載されていたB43[[水素爆弾]]は機体とともに水深約5,000メートルの深海へ没し、回収は断念されている。
参考：[[ローグスピア]]、[[ベントスピア]]、[[フェデッドジャイアント]]、[[ダルソード]]
:1966年|スペイン。~
[[空中給油]]中だった[[B-52]]が[[KC-135A>KC-135]]と衝突し、海中に[[墜落]]。~
搭載されていたB28R[[水素爆弾]]4基のうち、回収できたのは1基のみ。~
2基は地上で飛散して[[放射能]]汚染を引き起こし、1基は行方不明（海中に没したと見られる）。~
:1968年|グリーンランド（デンマーク自治領）のチューレ[[空軍基地>飛行場]]上空。~
アラート任務に就いていた[[アメリカ空軍]]の[[B-52]]の機内で火災が発生し、チューレ基地西方の氷上に[[墜落]]し大破炎上。~
これにより、搭載されていたB28FI[[水素爆弾]]の爆縮用[[通常火薬>爆薬]]が起爆。~
核爆発には至らなかったものの[[放射性物質]]が飛散、炎で溶けた氷と混じり合って大規模な[[放射能]]汚染を引き起こした。~
なお、2024年時点でも1基の水爆が未発見。跡形もなく爆散して海水に混じり凍ったものと推定される。
上記の他、10回以上の事故が発生している。~
