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*&ruby(ぶるぱっぷ){【ブルパップ】}; [#y68d7a94]
Bullpup.~

+[[突撃銃]]や[[短機関銃]]などの個人火器において、機関部をグリップよりも後ろ(主にストックの中)に配置したもの。~
機関部を後ろにすることで、全長をコンパクトにしたり、銃身を長くして命中精度を高めたりすることができる。~
Bull-pup.~
~
反面、排莢口が銃床部に配置されるため、薬莢が邪魔になったり、回転不良を起こしたりする恐れが大きい。~
特に排莢口が右側面に固定されているモデルでは、左肩に構えることができない。~
左利き射手のために切り替えが可能なモデルも存在するが、とっさにスイッチすることはできず、コンパクトであるにもかかわらず[[CQB]]や市街戦では不利となる。~
また機関部が射手の頭部に近いため、鼓膜を傷めるリスクも大きい。~
[[FA-MAS]]や[[AUG]]・[[L85>SA80]]・[[P90]]など、近年のヨーロッパ製火器によく見られる。~
銃火器の設計用語で、[[弾倉]]や[[回転機構]]などの機関部を銃把よりも後ろに配置する事。~
銃床の支えを必要とするような大型の銃についての設計で、[[拳銃]]とはほぼ無関係。~
([[拳銃]]では「銃把より後ろ」には何もない)~
~
+1950年代にアメリカで開発された[[空対地ミサイル]]・AGM-12((当初は[[無人>無人機]][[爆撃機]]として「B-83」の型式が与えられていた。))の愛称。~
起源は20世紀初頭、[[ボルトアクションライフル]]の開発途上で考案された。~
設計上の企図は銃の小型化で、[[銃身]]の長さを保ったまま銃全体の長さを切り詰める事を目的とする。

> 必要な[[銃身]]の長さは発射する弾体の重さと[[装薬]]の量に左右され、弾薬の規格によって制限されている。~
銃身が短すぎると[[装薬]]のエネルギーを伝達しきれず、また弾道も不安定化し、破壊力・[[有効射程]]・命中精度が悪化する。

実際、ブルパップ式の採用によって小型化されるのは確かだが、一方で多くの欠陥を内包し、[[小銃]]設計では非主流である。~
一方、[[対物ライフル]]や[[擲弾発射器]]では後述の欠点が運用上あまり問題にならないため、ブルパップ式の採用例が多い。

**欠点 [#n0dbff2b]

ブルパップ式には、以下に挙げるような欠点が見られる。

:引き金と機関部が離れている|これを接続するために長大な部品が必要になり、また内部機構が複雑になる。~
製造・補修の手間を増やすほか、使用時の体感として「引き金の感触が良くない」などとも報告される。
:射撃姿勢を取ると弾倉が脇の下に位置する|逆腕でスイッチや弾倉などを取り扱うのが困難になり、操作や弾倉交換のために射撃姿勢を解く必要が出てくる。~
同様の理由から、ドラムマガジンやベルト給弾などのかさばる給弾機構は採用できない。
:機関部が射手の頭に近い|銃声・衝撃波を浴びて耳に障害を負う危険性が高い。~
(射撃スポーツであれば耳当て・耳栓も使えるが、戦闘時に耳を塞ぐのは明らかに危険である)
:使用済み薬莢も顔のすぐ近くから排出される|このため、右肩・左肩のどちらかの構え方しかできない。構え方を間違えると高温の薬莢が射手の顔面に直撃する事になる。~
死角からの敵に対して身体ごと振り向く手間が生じるため、[[白兵戦]]において重大な問題となる場合がある。
:全長が短いため照準に問題が生じる|照門・照星を用いる一般的な照準器(アイアンサイト)では十分な精度を確保できない場合がある。~
[[望遠鏡式照準器]]や[[レーザー]]照準の精度には影響しないが、銃身に精密機器を別途搭載するのはしばしば忌避される。~
また、交戦距離によっては望遠鏡やレーザーが役に立たない場合もあり、アイアンサイトに頼って射撃する機会は少なくない。

総じて、こうした欠点は比較的近距離での遭遇戦を想定する場合、ことさら[[自動小銃]]・[[機関銃]]において最も重大な欠陥となる。


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