【ブリーチング】(ぶりーちんぐ)

breaching.

突き破る事。特に、建物内に突入する目的でドア・窓・外壁・床面などを突き破る事。
大別すると、戦闘・人質救出目的で建造物内に侵入する場合と、災害救助のために倒壊した建物に突入する場合がある。

建物の構造材を破壊するという性質上、中にいる人間が危害を受ける危険性を伴う。
このため、災害救助や人質救出においては不必要に人間を傷つけないよう細心の配慮を必要とする。
逆に、単純な屋内白兵戦では破壊に伴う騒音を敵に察知されるため、乱暴で迅速な手法が必要とされる場合もある。

扉破壊(ドアブリーチ)

大抵の場合、扉や門を押し開いて突入するのが最も簡単である。
そもそも人が通る事を前提に作られているので、人間が走って通り抜けるに十分なほど広い開口部を確保できる。

反面、戦闘では屋内に立てこもる敵がドアを警戒しないとは考えにくく、破砕作業中に攻撃を受ける危険性が高い。

手法としては、ドアノブ・蝶番・錠前などを破壊する方法が一般的。
簡易な扉はフーリガンツール(金槌・バール・ピッケルを兼ねる工具)で押し開いたり、破城槌(バッテリングラム)で殴って押し破る。
エンジンカッターやチェーンソーで接合部を切断したり、散弾銃で打ち抜いて砕く場合もある。

防災扉などの頑丈な扉、またはバリケードの形成が予想される場合はブリーチングチャージ(テープ状爆薬)で扉ごと破砕する事もある。

窓破壊(ウィンドウブリーチ)

罠・バリケード・瓦礫・銃撃などで扉からの侵入が困難な場合、窓を砕いて突入する場合もある。
災害救助では窓越しに中の様子を見通せれば作業は簡単だが、軍事的案件では敵からも外を見通せるため大変に危険である。

窓越しに敵が存在する場合、手榴弾を放り込む、爆薬で破砕するなどして窓に張り付いた敵を無力化しつつ迅速に突入する。
人質救出などガラスの破片を撒き散らしたくない場合、破片を飛び散らせにくいよう薄い板状に成型された専用爆薬を用いる。

また、高層建築では天井からラペリングして接近し、窓を蹴破りながら勢いよく突入する事もある。

壁破壊(ウォールブリーチ)

扉も窓も現実的に利用できない場合、天井や壁を砕いて穴を作るしかない。

災害救助の場合、エンジンカッターなどで壁に切れ目を入れた後、ハンマーで叩いて押し砕くのが一般的。
軍事的案件では爆弾で壁を砕くか、クレーンやブルドーザーなどの重機を使って壁を殴りつけて破砕する。

大規模戦闘ではそもそも突入を放棄し、榴弾砲空爆で建物まるごと倒壊させて終わらせる場合もある。


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