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【フリッツX】 †
第二次世界大戦中、ルフトバッフェ(ドイツ空軍)が配備した世界で最初の空対艦ミサイル。
正式名称は(あまり有名ではないが)ルールスタール/クラマーX-1(Ruhrstahl/Kramer X-1)という。
ミサイルとはいっても事実上誘導爆弾であり、推進装置はつけられていない。
誘導方式は無線操縦で、爆撃機のクルーが弾体後部に付けられたフレアの発光を見ながらスティックにより誘導する。
実戦での初使用は1943年、連合国に降伏し「寝返った」イタリア軍の艦隊を空襲し、3機のDo217?(He111?であるという説もある)から投下されたフリッツXが戦艦ローマの前部弾薬庫、機関室、左甲板(2番砲塔と艦橋の間付近)に命中させ撃沈、戦艦イタリア(旧名リットリオ)を大破させる戦果を見せる。
その後の連合国軍によるサレルノ上陸作戦では、上陸部隊の支援を行っていたアメリカ海軍のブルックリン級軽巡洋艦「サヴァンナ」や輸送船、イギリス海軍のクイーン・エリザベス級戦艦「ウォースパイト」にも被害を与え、ウォースパイトを航行不能にする戦果を挙げた。
また、対地上物攻撃にも使用された。
戦後にアメリカ・フランスといった戦勝国が開発した初期の誘導爆弾および対艦ミサイルは、洗練されてこそいるもののフリッツXとHs293をベースとして作られたものである。