【ピッチ】(ぴっち)

Pitch

原義は「上から下へと何かを打ち込む」の意。
転じて、上下の揺動、音の周波数の高低、屋根や河川の勾配、打ち上げて落ちてくる放物運動なども意味する。

用例として最も有名なのはおそらく「野球のピッチャー」だろう。ボールを投球する事を「ピッチング」という。

航空関係の文脈では、機体が縦に揺れ、機首が上を向いたり下を向いたりする事を意味する。
これは多くの場合、気流や動翼昇降舵)の影響によって尾翼が上下動する事で発生する。
機体中央を支点とする梃子のように、尾翼が落下すると機首は跳ね上がり、尾翼を跳ね上げると機首は下を向く。

航空の文脈で「ピッチを上げる/下げる」という場合、機首の仰角を基準とする。
機首が上向きならピッチが上がっており、下向きならピッチが下がっている。

また、機首が上を向くと高度が上昇し、推力と重力とが相殺されて減速する。
減速すれば翼で得ていた揚力も減少するため、仰角やエンジン出力次第では「上を向いたまま徐々に降下していく」という現象も発生する。
機首を下に向けた場合も降下し(エンジンの推力自体が下向きになるため)、かつ位置エネルギーを消費して加速し始める。

以上の理由から、飛行機が下降しようとする場合はピッチを上げて機首を上向きにするのが普通。
特に着陸時は滑走路上で止まれないと滑落・衝突事故を起こすため、降下すると同時に減速も行う必要がある。

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