【パンツァーシュレック】(ぱんつぁーしゅれっく)

Panzerschreck
ドイツの個人携帯対戦車兵器で、「戦車への脅威」という意。
正式名称は"Raketenpanzerbuchse(ラケーテンパンツァービュクセ)"(ロケット対戦車銃)

1942年11月から始まったアメリカ軍の北アフリカ攻略戦において、ドイツ軍?バズーカの愛称で知られるM1ロケットランチャーを鹵獲し、その性能に注目した。
1943年に入って間もなく、ドイツ軍はこのバズーカを原型とする対戦車兵器の開発を始め、「RPzB43」として年末には部隊配備を開始した。
バズーカと同じくロケットを推力として飛翔する成形炸薬弾を用いるのは同じだが、単なるコピーではなく、弾頭の口径を60mmから88mmに大型化し、撃発方式をバズーカのバッテリーの電源を用いた電気方式から、永久磁石を組み込んだ発電機の電源を用いる方式に変更された。
また、バズーカが出現する以前からドイツ軍は純粋な無反動砲や、それに使用する成型炸薬弾(88mm〜105mm)の研究開発を進めていた事もRPzB43の開発に影響している。

RPzB43は射手と装填手の2名で操作し、有効射程は150mほどで、200mm以上の装甲板を貫通できた。
一方で、射手は発射の際にロケットから後方に噴出する炎や吹き返しから身を守るために、頭部を保護するマスクを被り、長手袋をはめる煩わしさがあったため、改良型の「RPzB54」ではガス避け兼照準窓の防盾が装備された。
RPzB54は重量11kgと取り回しがやや不便であったため、後に射程を減らすことなく軽量化が行われたRPzB54/1が登場し、重量も9.5kgまで削減された。
そして多くのRPzB54もこのRPzB54/1に改造された。

パンツァーシュレックは多くのメーカーが生産に参加して大量生産が行われ、全戦線で多用された。
しかし、1945年1月に個人携帯対戦車兵器をパンツァーファウストに統一するという指令が出たため、生産は終了された。


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