【パラジャンパー】(ぱらじゃんぱー)

  1. アメリカ軍における航空士の役職のひとつで、墜落した友軍機のパイロットの救出や、墜落機に残る機密情報の破壊を目的とする衛生兵のこと。
    平時には、アメリカ国内での救難活動に参加することもある。

    一般のCSAR隊員とは区別され、パラジャンパーと呼ばれるのはCSAR隊員の中でも衛生兵だけである。
    任務の性質上、空挺降下の技能を身につけているのが一般的である。
    当然ながら医療スキルも備えるが、非常に高いレベル*1にあり、通常の衛生兵としてのそれを遥かに超える。

    また、特殊作戦のために派遣された場合は戦域が広がらないのでそれほどでもないが、航空機とは基本的にいつどこへ落ちるかわからない。
    空軍のパラジャンパーの標語にも「いつにでも、どこへでも」とある通り、墜落への即応能力と現地での適応能力が必要となる。

    レンジャーなどがファストロープを特に重視するのに対して、パラジャンパーはファストロープHAHOHALOと高度や方法は問わない訓練を行う。
    また、着陸地点がどこであるかも墜落機の状況によってかわるので隊員は潜水や登山など過酷な訓練*2を受けることになる。
    空軍の訓練では実際に死者が出たこともある。

    ブラック・シーの戦いに参加したアメリカ空軍のパラジャンパーは現地に到着後、自ら小銃で野生動物を撃ち、その後手当てをする実践的な訓練を受けたと言われる。

    基本的に味方機が被弾するまで仕事のない部隊であり、優秀な特殊部隊に組み込まれたパラジャンパーのチームはパイロットが優秀であるため、仕事が少なく軽蔑視されることがある。
    ブラック・シーの戦いに参加したパラジャンパーの2名と空軍部隊の戦闘統制技術下士官2名は、タスクフォース(異なる部隊を何らかの目的のために束ねた部隊)のヘリコプターを技量が高いことで知られる160thSOAR隊員が運用していたため、タスクフォース内の他の部隊が攻撃や偵察を行っている時に、戦場をヘリから眺めていることが多く、実際に出撃前まで一部のデルタフォース隊員から出撃が少ないことを軽蔑視されていたという*3
    実際は国益保護とパイロット救出をかねた、とても複雑な任務をこなす部隊である。

    また、パラジャンパーを略してPJと言う場合もある。

  2. パラグライダー等を趣味とする人の通称。

*1 医師とほぼ同等の教育を受け、民間病院での勤務経験を通しての研修等を行っており、医師の指導の下に手術が出来る程の技量を持つ隊員もいる。
*2 例えば、極限状態を知るために隊員を水を満タンにしたタンクを背負わせてプールに沈め、25m無酸素で水中を歩かせる等。
*3 PJは米軍の特殊部隊では一番肉体の要求度が低いとされることも一因であるが。

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