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【パパ】 †
旧ソ連が開発した原子力ミサイル潜水艦(SSGN)の1つ。
NATOコードでは「パパ級(Papa)」だが、旧ソ連海軍では「アンチャー級(プロジェクト661型)」と呼ばれている。
1970年代初期に1番艦が就役(1970年にセヴェロドヴィンスク造船所で進水)し、1970年1月13日に42 kt(このとき原子炉出力80%)、翌1971年には44.7 kt(82.8km/h)を記録し、潜水艦の潜航中速力の世界記録を達成した。この記録は、現在も破られていない。
だが、大型で推進時の水中雑音が酷い事、高速力を発揮した際には船殻外部を損傷する場合もあった事などを理由に2番艦以降は本格的な量産は行なわれず、就役期間のほとんどは実験艦として過ごした。
乗員は約82人で、艦首には533mm魚雷発射管6基を装備。
兵装は通常の533mm対潜魚雷・533mm対艦魚雷・対艦用15kT級核魚雷・RPK-2 ヴィユーガ(SS-N-15スターフィッシュ)潜対潜ミサイル・P-120「マラヒート」(SS-N-9?サイレン)艦対艦ミサイル・AMD-1000?沈底機雷の他、P-70「アメチースト」巡航ミサイル(NATOコードネームSS-N-7 スターブライト)も搭載出来ると言う。
なお、この情報はつい最近分かったものでそれまで西側に殆ど情報が入らなかった事から「謎の潜水艦」と言われていた。
パパ級は就役後直ぐに新型対艦ミサイルや魚雷の試験艦として使用され1989年に退役。
その技術はアルファ?級(プロジェクト705型)・オスカー?級(プロジェクト949型)・チャーリー?級(プロジェクト670型)攻撃潜水艦に受け継がれている。
パパ級(推測):
- 兵装:533mm魚雷発射管6基(最大12発)
- 電子機器
- スヌープトレイ水上捜索レーダー 1基
- ルビーン低周波艦首ソナー 1基
- 中周波魚雷発射管制ソナー 1基
- ミサイル発射管制ソナー 1基
- ブリックスピット傍受&脅威警戒ESM装置 1基
- ブリックパルプパッシブ受&脅威警戒ESM装置 1基
- VHF通信機
- UHF通信機
- パークランプ方向探知アンテナ 1基
- 水中電話 1基
- 全長:106.9m
- 全幅:11.5m
- 喫水:8.2m
- 船体構造:チタン製複殻式、9区画
- 乗員:82人
- 推進機関:原子力ギアドタービン —— V-5型加圧水型原子炉(177.4MW)×2基
蒸気タービン2基 / スクリュー×2軸 / 銀亜鉛電池(補機)×152基2群
- 速力:水上20kt(37km/h)、水中42kt(78km/h)
- 出力:80,005馬力
- 潜行深度:通常400m、最大600m
- 排水量:水上5,200t、水中7,000t
Photo:Russia navy