【バルカン】 †
- Vulcan
正しくはM61A1?の名称だが、同機関砲は戦闘機搭載用をはじめ、艦艇防空用のCIWSや基地防空用のVADS、3砲身のM197?、7.62mm口径のM134などさまざまな派生型が生まれたため、ガトリングガンの代名詞的な名称にもなっている。
- Avro Vulcan
イギリスのアブロ?社が開発した爆撃機。初飛行は1952年で、1956年に就役した。
イギリスの実用機で初のデルタ翼を採用し、巨大なデルタ翼が機体の大半を占めているのが特徴である。
エンジンは、ブリストル シドレー オリンパスエンジンを4基搭載する。
なお、超音速能力は持たない。
当初は戦略爆撃機として開発されたが、空中発射核ミサイルの開発が滞り、またイギリスの核戦略が戦略潜水艦中心となったことから、戦術爆撃機として運用されることになった。
同国のヴィッカース バリアント?やハンドレページ ビクター?と合わせて3Vと称される。
その中でも本機は低空侵攻能力に優れていたため最も長い間就役し、フォークランド紛争に参戦した。
【スペックデータ】
乗員:5名(操縦士、副操縦士、航空電子士官、レーダー航法者、進路設定者)
全長:29.59 m
全高:8.0 m
全幅:33.83m
翼面積:330.2m²
空虚重量:37,144 kg
最大離陸重量:77,111kg
最大兵装搭載量:9,535kg
エンジン
Mk1・Mk1A:ブリストル オリンパス101, 102, 104ターボジェットエンジン(推力49kN (11,000lbf))4基
Mk2・Mk2A・Mk2 (MRR) / K:ブリストル オリンパス201, 202, 203ターボジェットエンジン4基
Mk2A:ブリストル オリンパス301ターボジェットエンジン4基
速度:マッハ0.96(最高)/543kt(巡航)
航続距離:4,171km
実用上昇限度:16,760m
武装:胴体内にブルースチールMk.1空対地巡航ミサイル、AGM-45M シュライク対レーダーミサイル、454kg通常爆弾、ブルーダニューブ核爆弾?、イエローサン水素爆弾等を搭載可能。
【派生型】
- VX770/771
原型機。2機が製作された。
- VULCAN B.Mk1
初期の生産型。
ブリストル オリンパス 101, 102, 104 ターボジェットエンジンを搭載する。
- VULCAN B.Mk1A
Mk1に電子妨害装置を搭載したもの。
- VULCAN B.Mk2
AGM-48 スカイボルトALBM搭載型。
- VULCAN Mk2(MRR)/SR.Mk2
B.Mk2を改修した洋上レーダー偵察機型。11機改修。
- VULCAN B.Mk2K
VULCAN B Mk2とB Mk2 (MRR)を改修した空中給油機型。6機改修。
- XA902
Mk1の改修型。
ロールスロイス・スペイエンジンの開発に使用された。
- XA984
Mk1の改修型。
コンコルド用のオリンパスエンジンの開発に使用された。
- Balkan
バルカン半島。
東欧州に位置し地中海と黒海に面する。その地勢的条件から有史以来民族紛争が絶えず「欧州の火薬庫」と言われている。