【バトルライフル】(ばとるらいふる)

Battle rifle
近年になって現れた小銃の小区分で、一般的な突撃銃(アサルトライフル)よりも口径が大きく、有効射程マンストッピングパワーなどが優れるものを指す。
7.62mmNATO弾を使用するものなどを指すことが多いが、これらの銃も突撃銃と定義されていた場合が多く、明確な区別は存在しない。
いずれにしても、小口径高速弾を用いる現代突撃銃の普及とともに一度は置換された大口径・強装薬の弾丸を用いるライフルが、後述の理由から近年戦場に復帰し、両者がともに使用されるようになったことで、呼び分けるためにつくられた呼称である。
FN・FALやスプリングフィールドM14などが代表格と見られる。

かつて、NATO参加諸国や日本(自衛隊)も含めた旧西側陣営諸国軍の小銃弾には、(アメリカ軍のゴリ押しで)7.62mm×51弾が採用されていたが、これは弾丸そのものが重いうえ、初活力が大きく小銃としては反動が大きすぎたため、敬遠された。*1
このため、後年になって5.56mm×45弾が採用されるようになり、この小口径化によって歩兵の携行弾数は増大し、フルオート時の命中精度も向上した。*2

しかしながら、質量の小さい5.56mm弾は、急所に命中しない限り目標の戦闘能力を一撃で奪うことはできず、また有効射程も比較的短い。
このため、一撃必殺が要求されることの多い市街戦や、広大な砂漠・平原での撃ち合いが行われる中東の戦場などで、5.56mm突撃銃では不都合が生じてきた。
例えばイラクに駐留するアメリカ軍では旧世代のM14が持ち出されたり、敵から鹵獲したAK47を用いたりする場合があった。


*1 特にFALは開発中のものに比べて弾薬が強装・重量化した結果、フルオート射撃時の命中精度が著しく悪化し、セミオートのみの仕様に変更されてしまった。
*2 このような経過については突撃銃及びStG44の項目も参照のこと。

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