【ネシェル】(ねしぇる)

Nesher(ヘブライ語で鷲の意味)
イスラエルのIAIが1971年に生産を開始した戦闘爆撃機
モサド諜報活動により入手した、フランス製の戦闘機「ミラージュ5」の設計図を元にしてイスラエルで生産した機体である。

元々、イスラエル空軍は建軍以来、英仏からの輸入機が主力であった。
ところが、1967年に勃発した第三次中東戦争で、フランスのド・ゴール政権は、イスラエルに対する武器の輸出を禁止する制裁措置を発動。
このとき、イスラエル空軍は50機のミラージュ5を購入する契約を結んでおり、機体も完成して引き渡し直前まで進んでいたが、この制裁措置により契約は破棄されてしまった。*1
そこで、モサドや全世界に広がるユダヤ人のネットワークを駆使して入手した、ミラージュ5の設計データを元に生産されたのが本機である。

シャハクとほぼ同様の飛行特性を持っているが、シャハクよりも燃料搭載量が多いことから滞空時間が長い。*2

シャハクと共に、イスラエル空軍において最も敵戦闘機を撃墜したジェット戦闘機であるが、後にエンジンの出力不足が問題とされ、クフィルが開発された。


*1 なお、イスラエルへ引き渡される予定だった機体は最終的にフランス空軍に引き取られている。
*2 それがため、イスラエルはこの2機種による混成編隊は基本的に組まなかった。

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