【ネシェル】(ねしぇる) †

IAI Nesher*1
イスラエルのIAIが1971年に生産を開始した戦闘爆撃機。

イスラエル地域にはもともと航空製造業がなく、建国当初のイスラエル軍は軍用機は英仏からの輸入で調達していた。
しかし、1967年の第三次中東戦争に際してフランス側がイスラエルに大して経済制裁を発動し、武器輸出も差し止められた。
イスラエル空軍はフランスから50機のミラージュ5を購入する契約を結んでいたが、この契約も破棄された。

戦時であったイスラエルは早急に代替となる戦闘機を欲しており、その要求に応えて製造されたのがネシェルである。

機体設計は明らかにミラージュ5のデッドコピーであり、機体設計情報のほとんどがモサドの諜報工作の成果とみられる。
フランス政府はこうした事実上のライセンス生産を禁止する措置を取ったが、権利者であるダッソー社は秘密裏にイスラエル支援を継続した。

シャハクとほぼ同様の飛行特性を持っているが、シャハクよりも燃料搭載量が多いことから滞空時間が長い。
このため、止むを得ない場合を除いてシャハク・ネシェルの混成編隊が組まれる事はなかった。

シャハクと共に、イスラエル空軍において最も敵戦闘機を撃墜したジェット戦闘機であるが、後にエンジンの出力不足が問題とされ、クフィルが開発された。

↑

スペックデータ †

乗員1名/2名（複座型）
全長15.03m
全高4.50m
翼幅8.22m
主翼面積35.00��
空虚重量6,570kg
最大離陸重量13,500kg
発動機SNECMA アター09C-5ターボジェット×1基
出力42kN/60.80kN（A/B使用時）
速度
（最高/巡航（高度11,000m））		マッハ2.2/956km/h
航続距離4,000km
戦闘行動半径1,200km（Hi-Lo-Hi）
実用上昇限度17,000m
上昇力3,700m/min
固定武装DEFA 552A 30mm機関砲（弾数125発）×2門
兵装搭載量4,000kgまでの兵装を搭載可能
AAMマトラ?R-530/R-550「マジック」
シャフリル
爆弾/ロケット弾250kg爆弾×4発または400kg/500kg爆弾×2発
ロケット弾ポッド
その他増槽等


↑

派生型 †

  • ネシェルA：
    単座型。

  • ネシェルB：
    複座型。

  • ダガーA/B：
    アルゼンチン向け輸出型。

  • フィンガー：
    イスラエルでの改修型。
    空中給油装置が付与されたほか、レーダーの換装やHUDの装備、レーダー警戒受信機の追加などを行った。

*1 ヘブライ語で鷲の意味。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS