【ネイバル・ホリデー】(ねいばる・ほりでー)

Naval Holiday(海軍休日).

1922年のワシントン海軍軍縮条約(以下、本項目では「本条約」とする)発効から1936年の本条約失効までの15年間、先の第一次世界大戦で勝利した列強諸国(英国・米国・日本・フランス・イタリア)の海軍が、主力戦闘艦艇である戦艦巡洋戦艦の新規建造を凍結した時期を指す言葉。

本条約では、発効時点で建造中であるか、もしくは艦齢10年以上の戦艦・巡洋戦艦が(一部の例外*1を除いて)廃棄処分とされた上、新規建造は10年間凍結(以後は艦齢20年以上経過した艦の代替となるもののみ建造を認める)とされ、それまで続いてきた無制限な軍拡に一定の歯止めがかけられることになった*2

1930年には本条約を拡大・強化するべくロンドン海軍軍縮条約が米国・英国・日本の間で締結、発効したが、1934年に日本が本条約の破棄を通告(1936年失効)、1936年にロンドン条約からも脱退したことでこの枠組みは崩壊。
以後、1945年の第二次世界大戦終結までの間、世界は際限なき軍拡競争の時代に入ることとなる。

関連:条約型巡洋艦 ビッグセブン


*1 例外は日本の「陸奥」「三笠」(記念艦として)、米国の「ウェスト・ヴァージニア」「メリーランド」、英国の「ネルソン」「ロドネイ」。
  なお、米英の艦は日本の「陸奥」保有を認める代償として建造が許されたものである。

*2 ただし実際には、各国とも本条約の不備を突いて巡洋艦駆逐艦潜水艦といった補助艦艇を増強することで戦力を補っていた。

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