【ニューポート・ニューズ】(にゅーぽーと・にゅーず)

Newport News.
アメリカ合衆国・ヴァージニア州南東の大西洋岸に位置する都市。(原義)
市の名前を冠した造船所(後述)がある他、アメリカ海軍艦艇名としても用いられている。

重巡洋艦(CA-148)

USS Newport News(CA-148).
1949年に就役したデ・モイン級重巡洋艦の3番艦。
ベトナム戦争に参戦後、1975年に退役。1993年にスクラップとして処分された。

原子力攻撃潜水艦(SSN-750)

USS Newport News(SSN-750).
1989年に就役した、ロサンゼルス原子力攻撃潜水艦の39番艦。
現在は艦隊総軍に属し、ノーフォーク海軍基地を母港としている。

造船所

Newport News Shipbuilding and Drydock Company.

ヴァージニア州ニューポート・ニューズ市を所在地とする、アメリカ国内で最大の民間造船所。
ニミッツ級航空母艦を建造可能な唯一の造船所でもある。

1880年代にコリス・ポッター・ハンティントンが、石炭輸送に使用する船を修理するために造船所として設立。
1891年に最初の船、タグボート「ドロシー」を建造。
更に1897年にかけて、アメリカ海軍のために「ナッシュビル(USS Nashville)」、「ウィルミントン(USS Wilmington)」、「ヘレナ(USS Helena)」という3隻の軍艦を建造した。

1906年に英国が建造した革新的な戦艦「ドレッドノート」の就役に伴う世界的な建艦競争で、同社はアメリカ海軍との結びつきを更に強めていく。
1907年から1923年にかけ、アメリカ海軍が建造した22隻の弩級超弩級戦艦のうち、「デラウェア」、「テキサス」、「ペンシルベニア」、「ミシシッピ」、「メリーランド」、「ウエスト・ヴァージニア」の6隻を建造。
このうち、デラウェア以外の艦は第二次世界大戦に現役で参加している。

1907年にルーズベルト大統領が世界一周航海へと送り出した「グレート・ホワイト・フリート」の16隻の戦艦のうち、「ミネソタ」、「ルイジアナ」、「バージニア」、「ミズーリ」、「イリノイ」、「キアサージ」、「ケンタッキー」の7隻の建造を担当。
1918年から1920年には、更に25隻の駆逐艦を建造した。
第一次世界大戦後は航空母艦の建造にも力を入れ、1934年よりレンジャー(CV-4)ヨークタウン(CV-5)エンタープライズ(CV-6)といった第二次世界大戦で活躍する事になる海軍でも有数の空母を建造した。

1940年までに海軍から更に7隻の航空母艦および4隻の巡洋艦を受注。
また、海軍からのリバティ船の要求を速やかに満たし、1941年末に最初のリバティ船を進水。
最終的には239隻を建造した事で、海軍は船舶建造に対する功績を讃え「E」ペナントを授与している。

戦後は大西洋横断の速度記録を樹立する客船「ユナイテッド・ステーツ」を建造。
1970年代には西半球で最大のタンカーのうちの2隻と、アメリカで最大のLNGタンカー、排水量39万トン以上の3隻を建造するなど民間大型船建造にも対応している。

特筆すべき事項として、1954年に海軍主導でウェスティングハウスと共同で行った空母推進用プロトタイプ原子炉「A1W」の開発建造があげられる。
続く1960年には、世界初の原子力空母「エンタープライズ(CVN-65)」を設計し、更に1959年には世界初の原子力潜水艦「シャーク」を建造している。
1980年代に入ってからは、ニミッツ級航空母艦およびロサンゼルス級原子力潜水艦などのアメリカ海軍の主力艦をはじめ、様々な海軍艦艇を建造している。

2001年にはノースロップ・グラマンとの吸収合併協定に署名し、インガルス造船所エイボンデール造船所と統合された事で、年商40億ドルの巨大造船所となった。
2011年にノースロップ・グラマンは造船部門を分離し、ハンティントン・インガルス・インダストリー(HII)として独立させた。
独立後も引き続きノースロップ・グラマンはHIIの株主となっている。

主な建造艦


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