【ニミッツ(航空母艦)】(にみっつ(こうくうぼかん))

CVN-68(CVAN-68) USS Nimitz.

アメリカ海軍が運用している原子力空母。1975年就役。
艦名は第二次世界大戦期に活躍したチェスター・ニミッツ提督にちなむ。

満載排水量が10万トンに近い(CVN-72〜76は10万2千トン)巨艦で、設計はフォレスタル級航空母艦の物を踏襲・拡大している。
動力には前作のエンタープライズと同様、加圧水型原子炉を採用しているが、エンタープライズとは異なり、原子炉を二基に減らしている*1

原子力空母の一種の完成形といっても過言では無く、途中改装や装備変更は行われているものの、現在に至るまで10隻の同型艦が建造されている*2
同型艦と合わせて、文句なしにアメリカ海軍の中核をなす艦である。

性能諸元

艦名ニミッツ(CVN-68 Nimitz)
艦種ニミッツ級原子力空母
主造船所ニューポート・ニューズ造船所(ヴァージニア州)*3
乗員運行要員:3,200名
航空要員:2,480名
船型全通甲板型
排水量
基準/満載
81,600t/95,000t
全長332.8m
全幅76.8m
水線幅40.8m
吃水11.3m
機関ウェスティングハウス A4W加圧水型原子炉×2基
蒸気タービン×4基(出力65,000hp/48MW)
5枚羽スクリュープロペラ×4軸
機関出力276,000hp
速度30ノット+
兵装RIM-116「RAM」21連装発射機×2基
Mk.25 8連装ミサイル発射機×3基
シースパローSAMを搭載(1〜2番艦に搭載。後にMk.29に更新))
Mk.29 8連装ミサイル発射機×3基(シースパローSAMを搭載)
ファランクスCIWS×3基(CVN-68、69、76、77除く)
ブローニングM2 12.7mm重機関銃(キャット・ウォークに配置)
艦載機固定翼機/回転翼機(冷戦期:90機、現在:70機前後)
F-14F/A-18(A/B/C/D/E/F)E-2CEA-6BEA-18GS-3C-2SH-60等)
発艦装備エレベーター×4基
Mk.13-1/-2蒸気カタパルト×4基
C4ISR海軍汎地球指揮統制システム(GCCS-M)
海軍戦術情報システム(NTDS)
艦艇自衛システム(SSDS Mk.2 mod.1)
レーダーAN/SPS-48E 3次元対空レーダー×1基
AN/SPS-49(V)5 対空レーダー×1基(CVN-76はAN/SPS-49A(V)1)
AN/SPQ-9B 対水上レーダー×1基
AN/SPN-46 精測進入レーダー×1基
AN/SPN-43C 航空管制レーダー×1基
AN/SPN-41 着艦誘導レーダー×2基
AN/URN-25 戦術航法装置
FCSMk.95 ミサイルFCS×4基(短SAM用)
電子戦
・対抗装備
AN/SLQ-32(V)4 統合電子戦装置
AN/WLR-1H ESMシステム
NULKA デコイ・システム(Mk.36 SRBOC 6連装チャフ/フレア発射機×8基)
AN/SLQ-25A「ニクシー」対魚雷デコイ
母港エバレット(ワシントン州)
所属太平洋艦隊 第11空母打撃群
備考2001改装後


同型艦

ニミッツ級
艦番号艦名起工進水就役RCOH*4母港
CVN-68ニミッツ
(USS Nimitz)
1968.06.221972.05.131975.05.031998
〜2001
キトサップ
海軍基地
ワシントン州
ブレマートン
CVN-69ドワイト・D・アイゼンハワー
(USS Dwight D.Eisenhower)
1970.8.151975.10.111977.10.182001
〜2005
ノーフォーク
海軍基地
バージニア州
ノーフォーク
CVN-70カール・ヴィンソン
(USS Carl Vinson)
1975.10.111980.3.151982.3.132005
〜2009
ノース
アイランド
海軍航空基地
カリフォルニア州
サンディエゴ

キトサップ
海軍基地*5
セオドア・ルーズベルト級
CVN-71セオドア・ルーズベルト
(USS Theodore Roosevelt)
1981.10.311984.10.271986.10.252009
〜2013
ノース
アイランド
海軍航空基地
CVN-72エイブラハム・リンカーン
(USS Abraham Lincoln)
1984.11.31988.2.131989.11.112013
〜2017
ノーフォーク
海軍基地

ノース
アイランド
海軍航空基地*6
CVN-73ジョージ・ワシントン
(USS Georde Washington)*7
1986.8.251990.7.211992.7.42017〜ノーフォーク
海軍基地
CVN-74ジョン・C・ステニス
(USS John C.Stennis)
1991.3.131993.11.111995.12.9キトサップ
海軍航空基地

ノーフォーク
海軍基地*8
CVN-75ハリー・S・トルーマン
(USS Harry S.Truman)*9
1993.11.291996.9.71998.7.25ノーフォーク
海軍基地
ロナルド・レーガン級
CVN-76ロナルド・レーガン
(USS Ronald Reagan)
1998.2.122001.3.42003.7.12横須賀海軍施設
日本・神奈川県
CVN-77ジョージ・H・W・ブッシュ
(USS George H. W. Bush)*10
2003.9.62006.10.92009.1.10ノーフォーク
海軍基地



*1 原子炉の出力増加と動力伝達効率の改善によって実現された。
*2 CVN-71〜75を「セオドア・ルーズベルト」級、CVN-76・77を「ロナルド・レーガン」級とする資料もある。
*3 現:ノースロップ・グラマン・ニューポート・ニューズ。
*4 燃料交換・大規模整備(Refueling and Complex OverHaul)の略。
*5 CVN-74のRCOH計画に伴う。
*6 CVN-74のRCOH計画に伴う。
*7 RCOHのため、ニューポート・ニューズ造船所に入渠中。
*8 CVN-74のRCOH計画に伴う。
*9 当初、ユナイテッド・ステーツ(USS United States)と命名される予定であった。
*10 建造時、仮艦名としてCVN-75と同様に「ユナイテッド・ステーツ」と名づけられていた。

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