【ナガン・リボルバー】(ながん・りぼるばー)

ベルギーのナガン兄弟が19世紀末ごろに開発した回転式拳銃
その最大の特徴は、回転式拳銃の欠点であった発射ガス漏れを防ぐため、シリンダーと銃身の間にできる隙間を塞ぐ機構を有していたことである。
これにより発射ガスのエネルギーを有効に活用できたほか、通常の回転式拳銃では使用できない減音器を装着できたとされる。
この特徴から「ガスシールリボルバー」と呼ばれることもある。
数カ国へ輸出されたが、最大の顧客は帝政ロシア軍であり、その正式名であるM1895の番号が知られる。

しかしこのガスシール機構は複雑で信頼性に劣り、(凡庸な半自動式拳銃ほどではないにせよ)極寒のロシアには向かなかったと考えられている。
また銃弾も信頼性の問題から弱装の7.62mmナガン弾に限られ、そのメリットを生かせなかったとされる。
さらに給弾方式が西部開拓時代のように一発ずつ弾を込めるローディングゲート式であり、西側で実用化されたスイングアウト式に比べて大幅に時間のかかるものであった。

ロシアでは日露戦争に投入されたほか、ロシア革命後も初期のソ連軍でしばらく使われ続けたが、他国に見劣りする銃であったことから、後継としてトカレフTT33が開発されることとなった。
ただし後方部隊や警察などでは、第二次世界大戦後までナガン・リボルバーが使い続けられたといわれる。


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