【ドラッグ機動】(どらっぐきどう)

戦闘機におけるマニューバーのひとつ。
敵機から撃たれる可能性がある時に、敵に背を向けて後方に逃げる事。

戦闘機は敵機と接近していればいるほど回避機動が困難になり、生還率が低下する。
このため、戦闘機は先手を取って撃った後、または撃たれたと気付いた時に反転して距離を取る必要がある。
特に空対空ミサイルに対しては、十分な距離がある段階で逃走して有効射程圏外に逃げる事が必要不可欠である。
現代空戦において、空対空ミサイル有効射程圏内に入ってしまった状態から確実に生還する手段は存在しない。

一対一の戦闘ではドラッグ機動に徹する敵を仕留めるのは困難であり、決着には編隊との連携が必要になる。
例えば、編隊の囮役が敵を引きつけつつ、僚機がその隙を突いて回避不能な距離から撃つ、という包囲戦術が想定される。

現代の戦闘機レーダーは広くても前方120°しか走査できず、側面や後方からの攻撃を検知できない。
レーダー警戒受信機は全周をカバーするが、これも赤外線誘導に対しては意味を持たない。
最も重要なのは目視確認だが、それにしても正面に敵がいるような極限状況でチェックシックスを徹底できるとは限らない。


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