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*&ruby(どらけん){【ドラケン】}; [#u7465e86]
SAAB35 Draken.~
スウェーデンのサーブ社がスウェーデン空軍の[[サーブ 29 トゥンナン>トゥンナン]]の後継として開発した戦闘機。~
愛称はドラケン (Draken; スウェーデン語で竜)。~
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当初は昼間迎撃機として開発されたが、改良により全天候迎撃機へ、また一部は[[マルチロールファイター]]へと変貌した。~
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有事の際、一時的に滑走路として使用される公道からでも2000M以内で離着陸可能な[[STOL]]性や、10分以内での再給油/再武装といったスウェーデンの国情に合わせた設計がなされている。~
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艦載機ではないものの、シェルター格納の必要から外翼部が容易に取り外せる構造で、短縮時の全幅は5M以下に納まり、村落の牛舎や営農倉庫のような場所にも隠蔽可能な小型軽量振りであったが、その反面機内燃料搭載スペースは限られ、航続距離は短いものに留まった。~
また、飛行安定性に難がありスーパーストール癖が強く、事故喪失率も低くはなく、[[フライバイワイヤー]]の補助がなかった時代も相俟って、パイロットには高い技量が求められた。~
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最終的に615機が生産され、2005年12月までに全機退役している。~
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性能諸元:~
全長:15.35m~
全幅:9.4m~
全高:3.89m~
エンジン: スヴェンスカ・フリグモーター製 RM6C ターボジェット(ロールス・ロイス製 エイヴォン 300のライセンス生産、推力 56.89 kN(ドライ)、78.5 kN([[A/B>アフターバーナー]])~
最高速度:2,119km/h~
フェリー航続距離:1,763km~
最大運用高度:19,995m~
上昇率:10,500m/min~
離陸滑走距離:650m~
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主な派生型:~
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サーブ 210 - 試作機(リルドラケン;小型技術実証機)。当初、この試験機がドラケンと呼ばれていたが、J 35Aがドラケンと名付けられたため、リルドラケン(小さなドラケンの意)に改名された。~
J 35A - 初期の生産型、事実上の増加試作機。90機製造~
J 35B - 実質的な最初の実用型、射撃管制装置の改修が行われ、[[Rb24>AIM-9]]及び対空/対地攻撃用に無誘導のロケット弾、100 kgもしくは250 kg爆弾の運用能力が与えられた。73機(一部資料では83機)製造~
Sk 35C - A型の胴体前半を副座型に交換する形で製造された副座の機種転換訓練型、固定武装と射撃管制装置は搭載されていないが、対地攻撃能力を持つ。26機製造~
J 35D - エンジンをRM6Bから改良型のRM6Cに変更し、機体内に搭載可能な燃料を増量。~
S 35E - D型から射撃管制装置と固定武装を排除し、開いたスペースに偵察用のカメラを搭載した偵察型。~
J 35F - レーダー誘導ミサイル直撃作戦に備えて新型レーダーや誘導弾補助機器など改造。~
J 35F-2 - 赤外線偵察装置71Nや改造型レーダーPS-011を追加したJ 35Fの最新型。~
J 35J - 1987〜91年の間、F2を改造したJ 35の最新型。エレクトロニックの改変と伴い燃料増量や誘導弾増設。1998年廃置。~
サーブ 35H - スイス空軍向けに提案された形式で、A型にFCSを搭載した改造機だが、同時期に売り込みが行われたミラージュIIIをスイス空軍が採用したため採用されず。~
サーブ 35XD - デンマーク向け輸出型。戦闘機型 F-35 20機、副座練習機型 TF-35 11機、偵察型 RF-35~
サーブ 35XS - フィンランド向け輸出型。戦闘機型で、フィンランドのヴァルメト社によりライセンス生産された。~
サーブ 35Ö - オーストリア向け輸出型。J35Dを改造した戦闘機型。~
西ドイツ空軍(当時)向け輸出型(型式不明): 核兵器の運用能力を与えられた戦術攻撃機で、ミラージュIIIやライトニング等とともに提案されたが、西ドイツ空軍はF-104Gを採用した~
[[タ行]]

サーブ 35はスウェーデンのサーブ社がスウェーデン空軍のサーブ 29 トゥンナンの後継として開発した戦闘機。1955年原型機初飛行。愛称はドラケン (Draken; スウェーデン語で竜)。

ドラケンは世界で初めてダブルデルタ形式の翼平面形を実用化した航空機で、後のコンコルドやスペースシャトルなどに影響を与えたとも言える。また後に標準化したエンジン搭載法や、チェイン、ドーサルフィン(補助垂直尾翼)の始祖として、航空技術史上非常に高く評価されている。ブレンデッドウィングボディ形式の始祖のひとつとみなされる場合もある。

当初は昼間迎撃機として開発されたが、改良により全天候迎撃機へ、また一部は多目的戦闘機(マルチロール機)へと変貌した。


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