【トップガン】(とっぷがん)

Naval Fighter Weapons School: NFWS (海軍戦闘機兵器学校)

アメリカ海軍航空隊の教導飛行隊。カリフォルニア州ミラマー航空基地をベースとしている。
前述の通り正式な略称はNFWSだが、一種の敬称として「トップガン」と呼ばれる事の方が多い。

本部隊の目的は、海軍航空隊における空中戦技術の維持・向上である。
海軍航空隊の戦闘機エビエーターから、特に技量に優れた人材*1を招集して訓練を行う。
そしてこの訓練を終えた卒業生が原隊に復帰し、同僚に対して空中戦技術の教導を行う。

一般にも映画「トップガン(1986)」の題材になった事で有名。

というより、映画の知名度によってのみ有名。
言葉としては有名だが、NFWSの部隊としての実態はほとんど知られていない。
このため、現代で「トップガン」と言えば、(当人の所属政体を問わず)精鋭のパイロットを指す慣用表現である事が多い。

関連:ランダル・H・カニンガム ベストガイ

設立の経緯

朝鮮戦争当時、アメリカ軍戦闘機キルレシオは12:1であった。
しかしこれが、ベトナム戦争の初期には3:1にまで激減した。

その原因は、第二次世界大戦を経験したパイロット(エビエーター)の現役引退、そして、空対空ミサイルに頼り切ってドッグファイトを軽視する戦術思想であった。
ミサイル万能論が実際の戦訓によって覆された結果、ドッグファイトに疎い米軍機に多大な犠牲が生じたのである。

この調査結果を受け、失われた空中戦技術の再習得を目的として設立されたのが本部隊である。
実際、本部隊で教導を受けたエビエーターが原隊に戻ったベトナム戦争末期には、キルレシオを再び12:1まで回復させた実績を誇る。


*1 入校資格者は海軍の全エビエーター中で1%という。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS