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*&ruby(とっぷがん){【トップガン】}; [#n645d17e]
+アメリカ海軍戦闘機兵器学校(Naval Fighter Weapons School: NFWS)の通称。~
|>|CENTER:''概要''|
|創設|1969年|
|所属国|アメリカ合衆国|
|部隊編制単位|学校|
|兵種、任務、特性|[[アドバーサリー>アグレッサー]]|
|上級部隊|NSAWC(海軍打撃・航空作戦センター)|
|所在地|ファロン航空基地(ネバダ州)|
~
「[[朝鮮戦争]]での[[アメリカ軍]]の[[キルレシオ]]は12:1であった。が、[[ベトナム戦争]]初期には3:1にまで低下した。[[ミサイル]]に頼りきり、[[格闘戦]]([[ドッグファイト]])の技術が相対的に低下したためだ」~
失われた[[格闘戦]]技術を取り戻すため、[[海軍]][[エビエーター]]の中からトップ1%を抜擢し[[空中戦]]の徹底した教育を行うために設立された[[格闘戦]]戦技学校の名称。~
隊に戻ったトップガン卒業生は同僚達にその技術を伝え、[[海軍]]全体の底上げを行った。~
その結果、ベトナム戦争末期には再び12:1に回復。~
その訓練が無駄では無かったことを実戦で証明した。~
Naval Fighter Weapons School: NFWS([[海軍]][[戦闘機]][[兵器]]学校)~
~
関連:[[ランダル・H・カニンガム]]~
[[アメリカ海軍]]航空隊の[[アドバーサリー>アグレッサー]][[飛行隊>スコードロン]]。「トップガン」の敬称で呼ばれる事が多い。~
一般には映画「トップガン(1986)」「トップガン マーベリック(2021)」の題材になった事で有名。

>というより、映画の知名度によってのみ有名になっている。~
言葉としては有名だが、NFWSの[[部隊]]としての実態は知名度が低い。~
現代で「トップガン」と言えば、それは単に精鋭の[[パイロット>エビエーター]]を指す慣用表現である事が多い。

主任務は海軍航空隊における[[空中戦>ドッグファイト]]技術の維持・向上。~
[[海軍]]航空隊の[[戦闘機]][[エビエーター]]から、特に技量に優れた人材([[海軍]]の全[[エビエーター]]中1%程度)を招集し、高度な[[空中戦>ドッグファイト]]技術の訓練を行う。~
そしてこの訓練を終えた卒業生(これも「トップガン」と呼ばれる)は原隊に戻るか機種転換訓練に移行し、同僚に対して技術の教導を行う。~
~
+大ヒットした映画の名称。1986年公開、トニー・スコット監督、主演トム・クルーズ。~
[[F-14]]の[[エビエーター]]である「Maverick(マーベリック)」のトップガンでの訓練、恋愛、実戦を経験し友人の死を乗り越えてゆく姿を描く。~
ストーリーはありきたりであるものの、その迫力ある映像とサウンドは圧巻。~
米[[海軍]]のみならず、世界中で[[戦闘機]]志望の青年が増大した。~
発足当初はカリフォルニア州サンディエゴにあるミラマー海軍航空基地に所在。後にネバダ州ファロン海軍航空基地に移転。~
1996年に海軍打撃作戦センター(NSWC)傘下に移籍し、同センター傘下の海軍攻撃・航空作戦センター(NSAWC: Naval Strike and Air Warfare Center)の一部門として活動を続けている。~
~
最後のシーンで[[ミグ]]6機のうち4機が[[撃墜]]され、2機が離脱してゆく。~
なお主人公の乗る機体は[[F-14]]、敵機は[[F-5]]EタイガーII扮する[[MiG-28]]という架空機体だった。
関連:[[ランダル・H・カニンガム]] [[ベストガイ]] [[アグレッサー]] [[飛行教導群]]~

**設立の経緯 [#xb547594]
[[朝鮮戦争]]当時、[[アメリカ軍]][[戦闘機]]の[[キルレシオ]]は12:1であった。~
しかしこれが、[[ベトナム戦争]]の初期には3:1にまで悪化した。~
~
原因は大きく分けて二つある。~
一つは、[[第二次世界大戦]]を経験した精鋭[[パイロット>エビエーター]]が世代交代して現役を退いた事。~
もう一つは、[[ミサイル万能論]]を信じて[[ドッグファイト]]を軽視する[[戦術思想>ドクトリン]]を採用した事である。~
機材に至っては[[機関砲]]を装備しない[[ミサイリアー]]であったため、[[MiG-17]]や[[MiG-21]]といった旧世代機の[[機関砲]]で撃墜される有様だった。~
~
この調査結果を受け、失われた空中戦技術の再習得を目的として設立されたのがトップガンである。~
事実、教導修了者が各自の原隊に復帰した後、ベトナム戦争末期にはキルレシオが再び12:1まで回復している。

**使用機 [#la6e8326]
-[[F/A-18A/B>F/A-18]]
-[[F-16A/B/N>F-16]]~
当初は[[アドバーサリー>アグレッサー]]専用機としてN型(F-16C/DのBlock 30前期型に相当)を導入。~
しかし[[主翼]]に欠陥が見つかったため1995年に使用停止、廃棄された(この欠陥は[[空軍>アメリカ空軍]]の基準では許容されていたが、海軍の基準では問題とされた)。~
その後、パキスタン向けに製造されたが輸出がキャンセルされたA/B型を導入して用いている。
-[[F-5E/F/N>F-5(戦闘機)]]/[[T-38]]~
当初は[[MiG-21]]の飛行特性をシミュレートする[[アドバーサリー>アグレッサー]]として導入。~
近年はスイス[[空軍]]から退役したE型(スイスで[[ライセンス生産]]されたもの)を購入・レストアしてF-5Nとして用いている。
-[[F-14]]~
[[F/A-18]]と共に主力として活躍したが、2003年に退役。
-[[A-4]]~
[[MiG-17]]の飛行特性をシミュレートする[[アドバーサリー>アグレッサー]]として用いられていた。


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