【トーネード】(とーねーど)

  1. Hawker Tornado
    イギリスのホーカー社が開発した試作戦闘機
    英航空省の仕様F18/37に基づき計画された、ホーカー・タイフーンの兄弟機種にあたる。
    タイフーンエンジンとしてネイピア・セイバーを搭載した(F18/37N)のに対し、本機はRR・ヴァルチャーを搭載すべく計画された(F18/37R)。
    タイフーン同様エンジンや機体の問題により生産が休止されたが、ヴァルチャーは信頼性回復後も性能面で見劣りしたため、本機は実用化されずに終わった。

  2. North American B-45 Tornado
    アメリカ軍のジェット爆撃機B-45の愛称。

  3. PANAVIA 200 MRCA Tornado
    ワルシャワ条約機構軍の脅威に対抗するため、イギリス・西ドイツ・イタリアの三カ国が共同開発した*1多目的戦術機(MRCA: Multi Role Combat Aircraft)。
    共同で機体開発をするため合弁のパナビア社が、同じくエンジン開発のためターボユニオン社が設立された。
    原型機の初飛行はP.01(西ドイツ)が1974年8月14日、P.02(イギリス) が1974年10月30日、P.05(イタリア)が1975年12月5日。

    高度なアビオニクスを操るため複座型のみの生産となり、長い航続距離STOL性能が要求されたために可変後退翼や近代多用途機には珍しいスラストリバーサーを装備するという、小型機としては異例の設計となった。
    当初は共通の機体を設計して装備変更により各種任務へ対応する計画だったが、これは実現せず、任務別に大別して三種類の機体が存在する。

    一時は日本のFX(次期主力戦闘機)の母機としてイギリスから提案があったが、F-15J/DJが採用されたため、実現しなかった。

    長らく西欧の防衛を担ってきたが、近年はユーロファイター・タイフーンに更新しつつある。

  • トーネードIDS
    阻止攻撃型でトーネードの基本型。
    固定武装としてマウザーBK2727mm機関砲を二門備える。
    敵の地上部隊・前線基地・後方支援艦艇などに打撃を与えるため開発された。
    慣性航法装置ドップラーレーダーの組み合わせにより、高精度の自律航法が可能である。
    敵のレーダー網をかいくぐるため地形追随飛行能力を持つ。
    長距離侵攻のために燃費の優れるRB199ターボファンが設計され、双発で装備された。
    対空砲火を避けるためきわめて小型の機体設計となり、低空での安定性を重視して翼面荷重や垂直尾翼面積は大きく設計された。
    しかし湾岸戦争ではこの戦術が仇となり、複数の機体が無照準対空砲火の犠牲となった。
    地形追随飛行を中止し、高空からのレーザー誘導爆弾による攻撃に切り替えた後は高い戦果を挙げた。*2
    英空軍ではGR.1と呼ばれ、偵察型GR.1A、洋上攻撃型GR.1B、能力向上型GR.4/GR.4Aなどの改修型も誕生している。
    ドイツ空海軍では偵察ポッドを搭載した偵察型のトーネード RECCEがある。
    イタリア空軍でも偵察ポッドによる偵察任務の他、近代化改修が進行中である。

  • トーネードECR
    電子戦闘偵察型でドイツ空軍・イタリア空軍で使用されている機体。
    電子戦闘偵察と謳っているが、実際の主任務は敵防空網制圧である。
    固定武装を廃し、レーダー攻撃用のAGM-88 HARMと自衛用のAIM-9ECMポッドなどを装備する。
    なお、赤外線画像システムは搭載していない。
    イタリア空軍ではIDSから改修されたIT-ECRが就役中であり、この型はECRより高性能の電子装置を搭載している。

    なお、英空軍ではGR.1がALARM対レーダーミサイルを使用できるように改修され、敵防空網制圧任務を行っている。

  • トーネードADV
    防空・要撃戦闘機型。
    IDSをベースにイギリスがライトニングの後継として独自開発した全天候戦闘機
    戦闘空中哨戒要撃などの任務に対応するため、大幅な設計変更がなされた。
    空中戦に対応するため、AI.24「フォックスハンター」パルスドップラーレーダーの装備、空力特性の改善、エンジンの強化、可変後退翼の自動化などをおこなった。
    滞空時間を延長するため、胴体を延長して燃料タンクを増設し、左舷の機関砲を外して空中給油用の引込式プローブを装備した。
    固定武装はBK27が1門のみで、胴体下にスカイフラッシュAIM-9といった空対空ミサイルを装備する。
    初期型のF.2、エンジンと電子機器を変更した改良型のF.3、F.2の電子機器をF.3と同等にしたF.2A、SEAD能力を付与したEF.3がある。
    英空軍の他、サウジアラビア空軍に24機が輸出・運用され、イタリア空軍も1993年から2003年まで24機をリースで使用していた。

    日本のFSXに提案された型がこのADVで、ADVの長い胴体で燃料容量と兵装搭載スペースを確保した上で、この機のファイアフォックスレーダーにIDSの対地攻撃能力を付与する案であった。

スペックデータ(IDS/GR.4)

乗員:2名(操縦士、兵装管制官)
全長:16.72m
全高:5.95m
翼幅:13.91m(主翼最大展開(後退角25度)時))
翼面積:26.6屐文綢牾25度)
空虚重量:14,090kg
戦闘重量:21,500kg
最大離陸重量:27,986kg
最大兵装搭載量:8,500kg
エンジン:ターボ・ユニオン RB199-34R ターボファンエンジン(推力38,7kN/66 kN(A/B?使用時))×2
内部燃料搭載量:6,350kg
最大速度:マッハ2.2
航続距離:3,895km(フェリー飛行時、2,105海里)/2,780km(1,500海里)
実用上昇限度:15,240m
武装 固定武装:マウザーBK27 27mm機関砲(装弾数125発)2門
兵装
胴体下及び翼下のハードポイントに下記武装を最大9,000kgまで搭載可能。

スペックデータ(ADV/F.3)

乗員:2名
全長:18.68m
全幅:13.91m(主翼最大展開(後退角25度)時)/8.60m(後退角67度)
全高:5.95m
翼面積:30屐兵舁禳蚤臈験(後退角25度)時)
空虚重量:14,500kg
戦闘重量:21,500kg
最大離陸重量:27,986kg
外部兵装搭載量:8,500kg
最大運用高度:21,335m
戦闘行動半径:300nm(超音速迎撃)/1,000nm+(亜音速迎撃)
最高速度:マッハ2.2
エンジン:ターボユニオン製 RB-199-34R MK-103(推力40.5 kN/71.2 kN(リヒート?使用時)×2基(22号機まで)
ターボユニオン製 RB-199-34R MK-104(推力40.5kN/73.5kN(A/B?使用時))×2基(23号機以降)
武装
固定武装:マウザーBK-2727mm機関砲(装弾数125発)×1
翼下及び胴体下に下記兵装を最大8,500kgまで搭載可能。

tornado.jpg

Tornado F3
Photo: Royal Airforce


*1 計画当初はオランダも参加していたが、途中で脱退している
*2 この際は低空での運動性に優れるバッカニアがレーザー照準を担当しており、こちらもやはり被害が発生している

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