【デルタ】(でるた) †

  1. 編隊の名称の一つ。
    3機以上の編隊で三角形を作る。

    (6機の場合)上方向が針路方向で、上面から見た俯瞰図とする。
    ↑
    #1  
  #3  #2
#6  #4  #5
    以下の写真は全て隊形が異なるが、全てデルタに分類される。

    f15j06.jpg
    (比較的多く見られる6機のデルタ)

    f15j08.jpg
    (10機の場合)

    f15j07.jpg
    (変形的なデルタ)

  2. NATO?方式のフォネティックコードで、アルファベットの「D」を指す言葉。

  3. (2.から転じて)旧ソ連海軍が装備していた弾道ミサイル搭載型原子力潜水艦（戦略潜水艦）の1タイプにNATOが与えたコードネーム。
    ソヴィエト連邦・ロシア側の名称はI型がプロイェクタ667B"ムレナ（ウツボ）"、II型がプロイェクタ667BD"ムレナM"、III型がプロイェクタ667BDR"カルマール（ヤリイカ）"、IV型がプロイェクタ667BDRM"デルフィン（イルカ）"である。

    プロイェクタ667型（NATOコードネーム”ヤンキー”級）の後継として開発された艦で、初期型であるI型（667B型）は1972年から1977年にかけて18隻が就役した。

    II型（667BD型）はI型の改良型で、1973年から1975年にかけて4隻が就役した。
    ミサイル発射管が16基になり、排水量と533mm魚雷の搭載数が増加している。

    III型（667BDR型）はMIRV式のR-29R/RSM-50（SS-N-18）を搭載するタイプで、1976年から1981年にかけて14隻が就役し、北方艦隊に5隻、太平洋艦隊に9隻が配備された。
    現在は北方艦隊に3隻(特務原潜に改装されたKS-129を含む)、太平洋艦隊には4隻が在籍しており、時々、宗谷海峡を浮上航行する姿が海上自衛隊によって目撃されている。

    IV型（667BDRM型）は1985年から1990年にかけて7隻が就役した。
    船体は667BDR型よりも大型化されているが、その分は静粛性の向上に充てられている。
    弾道ミサイルはR-29シリーズの最終型であるR-29RM/RSM-54（SS-N-23）を搭載する。

    兵装には魚雷発射管6基（533mm4基、406mm2基）とR-29(RSM-40、SS-N-8)SLBM（III型はMIRV式のR-29R（RSM-50、SS-N-18）、IV型はシリーズ最終型であるR-29RM（RSM-50、SS-N-23））を装備する。

    START Iの発行に伴い初期型であるI型及びII型は退役し、III型も艦の寿命により退役が進んでいるため、IV型が主力となっており、弾道ミサイルの発射実験のほか、人工衛星の打ち上げも行っている。

    【性能諸元（I/II/III/IV）】
  • 全長
    • I型：139m
    • II型：155m
    • III型：155m
    • IV型：167m
  • 全幅
    • I･II･III型：11.7m
    • IV型：11.2m
  • 吃水
    • I型：8.4m
    • II型：8.6m
    • III型：8.7m
    • IV型：8.8m
  • 排水量
    • I型：7,800t（水上）/10,000t（水中）
    • II型：9,350t（水上）/10,500t（水中）
    • III型：8,940t（水上）/10,600t（水中）
    • IV型：10,210t（水上）/I12,100t（水中）
  • 機関
    • I型：VM-4加圧水型原子炉×2基/蒸気タービン×2基/プロペラ×2（出力52,000馬力）
    • II型：VM加圧水型原子炉×2基/蒸気タービン×2基/プロペラ×2（出力55,000馬力）
    • III･IV型：VM-4SG型加圧水型原子炉×2基/蒸気タービン×2基/プロペラ×2（出力60,000馬力）
  • 最高速力
    • I型：16kt（水上）/26kt（水中）
    • II･III型：14kt（水上）/25kt（水中）
    • IV型：14kt（水上）/24kt（水中）
  • 乗員
    • I型：120名
    • II型：126名
    • III･IV型：130名
  • 兵装
    • 533mm魚雷発射管×4基（計12発搭載、II型・III型は計18発搭載、IV型は対潜ミサイル?兼用）
    • 406mm魚雷発射管×2基（計8発搭載）
    • D-9ミサイル発射管×12基
      （II型からは16基、R-29(RSM-40)・R-29R(RSM-50、III型）･R-29RM(RSM-54、IV型）を搭載。）

【同型艦】

艦番号　　 艦型　　　　　 艦名　　　　　　就役所属艦隊
K-18667BDRM型（デルタ�厳拭�カレリア1991年北洋
K-44667BDR型（デルタ�祁拭�リャザン1981年太平洋
K-51667BDRM型（デルタ�厳拭�ヴェルホツリエ1985年北洋
K-64*1667BDRM型（デルタ�厳拭�ウラジーミル1988年北洋
K-84667BDRM型（デルタ�厳拭�エカテリンブルク1986年北洋
K-92667BD型（デルタ�況拭�1975年北洋
K-114667BDRM型（デルタ�厳拭�ツーラ1989年北洋
K-117667BDRM型（デルタ�厳拭�ブリャンスク1990年北洋
K-129*2667BDR型（デルタ�祁拭�1981年1990年代に特務原潜に改造。
K-171667B型（デルタI型）1975年除籍
K-180667BDR型（デルタ�祁拭�1980年太平洋
K-182667BD型（デルタ�況拭�1975年北洋
K-193667BD型（デルタ�況拭�1975年北洋
K-211667BDR型（デルタ�祁拭�ペトロパヴロフスク・カムチャツキー1980年太平洋
K-223667BDR型（デルタ�祁拭�ポドルスク1980年太平洋
K-279667B型（デルタI型）不明除籍
K-366667B型（デルタI型）1974年除籍
K-385667B型（デルタI型）不明除籍
K-407667BDRM型（デルタ�厳拭�ノヴォモスコフスク1992年北洋
K-417667B型（デルタI型）1974年除籍
K-421667BD型（デルタ�況拭�1974年北洋
K-424667BDR型（デルタ�祁拭�1976年北洋
K-433667BDR型（デルタ�祁拭�スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセッツ1981年太平洋
K-441667BDR型（デルタ�祁拭�1976年北洋
K-447667B型（デルタI型）1973年除籍
K-449667BDR型（デルタ�祁拭�1977年北洋
K-450667B型（デルタI型）不明除籍
K-455667BDR型（デルタ�祁拭�1978年北洋
K-457667B型（デルタI型）1974年除籍
K-460667B型（デルタI型）1975年除籍
K-465667B型（デルタI型）1974年除籍
K-472667B型（デルタI型）1975年除籍
K-475667B型（デルタI型）1975年除籍
K-477667B型（デルタI型）1975年除籍
K-487667BDR型（デルタ�祁拭�1975年太平洋
K-490667BDR型（デルタ�祁拭�1978年北洋
K-496667BDR型（デルタ�祁拭�ボリソグレブスク1979年除籍
K-497667B型（デルタI型）1975年除籍
K-500667B型（デルタI型）1975年除籍
K-506667BDR型（デルタ�祁拭�ゼレノグラード1979年太平洋
K-512667B型（デルタI型）1976年除籍
K-523667B型（デルタI型）1977年除籍
K-530667B型（デルタI型）1977年除籍
*1 BS-411（ヤンキー・ストレッチ級（09780型）原子力潜水艦（ミゼット･サブ母艦））の後継として特務原潜に改装中
*2 特務原潜に改装後はKS-129に変更

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