【テロリズム】(てろりずむ)

Terrorism
暴力を行使して政敵を恫喝し、あるいは粛清することによって、自らの政治的主張を通す行為。または、そのような暴力的手段を容認する思想。
「テロ」あるいは「テロル」と略されることも多い。
言葉の定義を厳密に解釈すれば紛争当事者の全てがテロリストになるのだが、一般的には以下のような条件のいくつかを満たしたものだけをテロリズムと呼ぶ事が多い*1

  • 非合法戦闘員が参画している。
  • どこまでの成果・被害をもって勝敗が決し戦闘を終結させるかについての指針がない。
  • 平和的な交渉、公共に益する福祉活動、生産的な企業活動などを担当する部門を有していない。
  • 組織の内部においても流血を伴うようなトラブルがしばしば発生する。
  • 暴力の行使によって発生する社会的信用の喪失を考慮しない。または考慮する意義を見出せないほど明白に反社会的である。
  • 団体としての沿革、予算、人員の規模、掲げている思想の詳細などが公表されていない。
  • 人員を調達するために洗脳*2を行っている形跡がある。
  • 犯罪を犯した構成員が適切に処罰されていない。
  • どのような人種的、文化的集団の利害を代表しているのか定かでない。あるいは誰の利害も代表していない。
  • 紛争に勝利し戦略目標を完遂した後の政治的展望がないか、実現不可能と目されるような展望を持っている。

現在では反政府組織による暴力活動を指して言うことが多いが、もともとは恐怖政治?に由来する言葉であり、しばしば体制によってもおこなわれる。
体制によるテロリズムは白色テロと呼ばれ、その意味ではアドルフ・ヒトラーヨシフ・スターリン?ポル・ポト?などはテロリストの代表的存在といえる。

逆に一方では体制に支配される(または支配されていると思いこんだ)側からすると、テロリストは支配体制に反抗した「英雄」と映る為、体制打破、思想実現の為のテロリズムも又治まることはない。

又、思想の違いから特定の個人の排除を狙ったテロリズムや環境問題や動物の権利擁護を口実にしたテロリズムもしばしば行われている。

後者はエコテロリズムと呼ばれ、動物解放戦線(ALF;Animal Liberation Front)やシーシェパード(Sea Shepherd Conservation Society)等の団体が該当し、シーシェパード?は2009年現在、日本の捕鯨船に対して事実上の海賊行為を含む捕鯨阻止行動などを行っているため問題になっている。

関連:9.11事件 地下鉄サリン事件 ロンドン同時多発テロ? よど号事件


*1 単なる侮蔑、差別用語として根拠なく用いる事も多い。
*2 拉致監禁した上で暴力、薬物投与、脅迫などで精神障害を意図的に発症させ、被害者が正常な判断力を持てないように仕向ける事。

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