【テイルシッター】(ているしったー)

Tail sitter
転換式航空機あるいはVTOL機の一種で、離着陸時に機体を上方へ向ける形式の航空機

機体をまるごと方向転換するため、ティルトローター推力偏向ノズルリフトファン?リフトジェットといった複雑な機構を必要とせず、他の方式のVTOLに比べて信頼性や推力重量比を向上させることができるとされた。
このことから第二次世界大戦末期のドイツで構想されていたが、資料を接収した国で冷戦初期に研究され、アメリカではXFV-1?XFY-1?、フランスではコレオプテール?などといった機体が試作された。

しかし、地上では機体が直立した状態になるため、パイロットの乗降やペイロードの積み下ろし、整備・補給等の作業性に難がある。
また、トラクター式の機種ではダウンウォッシュの影響が大きく、ジェットエンジンの場合は安定性が悪い。
これらの問題点から、スムーズな姿勢転換は困難であった。*1
さらにパイロットは真上しか見えないこともあって*2着陸操縦が非常に困難であり、実用化はされていない。

IMG_6703.jpg
C.400P-2 アター・ボラン*3


*1 姿勢転換に成功したのはXFY-1?のみであった。
*2 コレオプテール?の場合は機体の姿勢に合わせコックピットの座席が90度方向転換するが、それでも事故により開発が中止された。
*3 コレオプテール?開発における離着陸のみの実証機であり、姿勢転換を前提としていない。

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