【チタニウム/チタン/タイタニウム】(ちたにうむ/ちたん/たいたにうむ)

元素記号Ti、原子番号22、比重4.5の金属元素。
命名はギリシャ/ローマ神話の「タイタン(ティターン)」に由来する*1

古くから白色の顔料として用いられ、1795年には元素として命名されている*2
融点1668℃に達し、化学的に安定で腐食しにくいため、1946年まで実用的な精錬法が存在しなかった。
埋蔵量が多く地球上にありふれた物質だが、複雑な精錬過程を必要とするために希少価値を持つ。

軽さの割には強靱である事で知られ、軽量化が求められる分野で用いられる。
また、耐熱性が高く腐食に強いため、別素材の表面にメッキとして施される場合もある。
純チタン・各種合金に共通して摩耗に弱い傾向にあり、工業材料としては決して万能ではない。
反面、「新しくて高価な」金属であるため、単に宣伝材料やデザインとして使われる場合もある。

たとえば、フィクションでは「チタン製の隔壁」「チタニウム装甲」なるものがしばしば登場する。
言葉の響きはいかにも頑丈そうだが、工学的にはおおむねナンセンスな発想である。
チタニウムは比重が軽く、密度が低く、ゆえに衝撃に対する耐久性は現代の鋼鉄に遠く及ばない。


*1 神話に曰く、ギリシャの奉ずる「オリュンポスの神々」が台頭する以前に世界を支配していたとされる神々。
  オリュンポスの神々との戦争に敗れて地底に幽閉されていて、地震が起きるのはティターンが暴れるからだとされる。
  古代史の観点では、ギリシャに征伐・吸収された異民族の宗教(への侮蔑表現)に由来すると考えられている。
  とてつもなく巨大な体躯で表現され、しばしば「巨体(Giant)」を意味する詩的表現として用いられる。

*2 記録が散見され、厳密な意味での発見者が誰なのかは判然としない。

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