*&ruby(ちーふてん){【チーフテン】}; [#sce72f66]
FV4201 "Chieftain((「族長」もしくは「酋長」の意味で、イギリスで「Chieftain」と言った場合、特にスコットランド高地氏族をはじめとする大英帝国隷下の族長や酋長を指す。))".~
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1960年代に英国で開発・生産された[[主力戦車]]。~
英国陸軍には1963年から配備が始められ、1971年までに約900両が生産・配備された。~
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本車は元々、英国陸軍の[[主力戦車]]だった「センチュリオン」とその支援用重戦車「コンカラー」の両車を統合するという目的で開発が始まった。~
開発当時、[[対戦車ミサイル]]や[[歩兵]]用の携帯対戦車火器が急速に発達したことにより、西側諸国の[[主力戦車]](([[M60>M60（戦車）]]（米）・[[レオパルト1]]（旧西ドイツ）・AMX-30（フランス）・[[74式戦車]]（日本）など))は軒並み105mm[[ライフル砲>施条砲]]を装備し、防護を[[機動力]]で補おうとしていた。~
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しかし、本車はその潮流に反して強力な55口径120mmライフル砲L11A5を備え((しかし、この砲は分離弾薬方式で弾頭と[[装薬]]が分離しており、装填手の負担を軽減する様に配慮されていたが、結果的に発射速度は低下してしまった。))、強力な防護装甲を誇る[[重戦車]]として登場した。~
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当時は保守的な設計と評価されたが、現代からみれば機動性を除けば、むしろ先進的と言える。~
事実、現代戦の経験が豊富なイスラエルが購入を希望したほどである((ただし、イギリス政府は本車の輸出を許可しなかった。))。~
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その後も装甲や[[火器管制装置]]の改良が加えられながら、後継の[[チャレンジャー]]が登場するまで、[[NATO>北大西洋条約機構]]軍の第一線で運用された。~
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イギリス以外ではイラン、ヨルダン、オマーン、クウェート等の中東諸国に採用された。~
**スペックデータ [#zd1ac9e1]
|乗員|4名|
|全長|10.75m|
|全高|2.32m|
|全幅|2.82m|
|戦闘重量|55.0t|
|懸架方式|ホルストマン方式|
|[[エンジン]]|レイランド L60No.4Mk.7A 2ストローク対向ピストン式6気筒[[液冷>液冷エンジン]][[ディーゼル>ディーゼルエンジン]]&br;（出力750hp/560kW）|
|登坂力|60%|
|超堤高|0.9m|
|超壕幅|3.14m|
|最大速度|48km/h（路上）|
|[[行動距離>航続距離]]|450km|
|[[装甲]]|100mm+（車体前面）/100mm+（[[砲塔]]前面）|
|兵装|L11A5 55口径120mmライフル砲×1門（弾数54発）&br;L21A1 7.62mm機関銃×1挺&br;L8A1 7.62mm機関銃×1挺（弾数4,000発）&br;6連装発煙弾発射器×2基|
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**派生型 [#w865a53d]
-基本型
--チーフテンMk.1：~
試験・訓練用の先行量産型。L60Mk.5エンジン（出力585hp）を搭載。~
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---チーフテンMk.1/2：~
チーフテンMk.2基準に改良した型。L60Mk.4A2エンジン（出力650hp）を搭載。~
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---チーフテンMk.1/3：~
エンジンをL60Mk.5A（出力650hp）に換装した型。~
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---チーフテンMk.1/4：~
エンジンをL60Mk.6A（出力650hp）に換装し、改良型のレンジングガンを装備した型。~
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--チーフテンMk.2：~
初期生産型。~
エンジンは出力650馬力のものに換装されている。~
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--チーフテンMk.3：~
新型[[キューポラ]]やエアクリーナーを装備した改良型。~
装備の違いにより、Mk.3/2、Mk.3/3とイラン向けの輸出型であるMk.3/3(P)がある。~
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---チーフテンMk.3/2：~
電装系とエアクリーナーを改良した型。~
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---チーフテンMk.3/3：~
レーザーレンジファインダーや改良型[[NBC>NBC兵器]]防護パッケージを装備する型。~
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---チーフテンMk.3/3(P)：~
MK.3/3のイラン向け輸出型。~
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--チーフテンMk.4：~
チーフテンMk.3の燃料搭載量を増加させた型。試作のみ。~
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--チーフテンMk.5：~
チーフテンMk.3/3をベースにエンジンをL60Mk.8A（出力750馬力）に換装し、NBC防護に改良を施した型。~
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---チーフテンMk.5/5P：~
Mk.5のイラン向け輸出型。~
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---チーフテンMk.5/2K：~
Mk.5のクウェート向け輸出型。~
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--チーフテンMk.6：~
Mk.2のエンジン出力強化型。~
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--チーフテンMk.7：~
Mk.3をMk.6相当に改修した型。~
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---チーフテンMk.7/2C：~
Mk.7のオマーン向け輸出型。~
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--チーフテンMk.8：~
Mk.3/3をMk.6相当に改修した型。~
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--チーフテンMk.9：~
Mk.6の[[射撃統制装置>火器管制装置]]を改良型に換装した型。~
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--チーフテンMk.10：~
Mk.7にMk.9相当の改修を施し、主砲前半部にゴムを使用した[[複合装甲]]「スティルブリュー（Stillbrew）」を付加した型。~
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--チーフテンMk.11：~
Mk.8の近代化改修型。~
Mk.10相当の改修に加え、NBC防護の改良および砲塔左舷のサーチライトをTOGS（Thermal Observation and Gunnery System,熱線探知・[[火器管制装置]]）に変更した。~
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--チーフテンMk.12：~
Mk.5にMk.11と同様の改修を実施した型。~
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--チーフテンMk.13：~
MK.11からの改良が計画されていた。~
[[チャレンジャー2]]が開発されたことでキャンセルされた。~
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-試作型
--チーフテン800：~
チョバムアーマーを装備し、新型パワートレインを搭載したテスト用車両。試作のみ。~
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--チーフテン900：~
チョバムアーマーを装備し、新型パワートレインと「センタウロ（Centaur）」[[火器管制装置]]を搭載したテスト用車両。試作のみ。~
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--チーフテン マインクリーナー：~
[[地雷]]処理車型。試作のみ。~
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--チーフテン セイバー：~
2連装の30mm機関砲を装備した砲塔を搭載した自走対空砲型。試作のみ。~
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--チーフテン ウェポンキャリア：~
155mm[[榴弾砲]]を搭載した型。~
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--チーフテンSTD((Signature Integration Demonstratorの略。))：~
視認性低下、[[ステルス]]性増強を目的としてチーフテンに刷毛状の泥除けを追加するなどしたデモンストレーション用車両。~
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-派生型
--チーフテンAVRE((Armoured Vehicle Royal Engineersの略。))：~
装甲工兵車型。~
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--チーフテンARV((Armoured Recovery Vehicleの略。))：~
装甲回収車型の初期生産型。車体にウインチを搭載。~
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--チーフテンARRV((Armoured Recovery and Repair Vehicleの略。))：~
クレーン及びウインチを搭載した装甲回収車型。~
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--チーフテンAVLB((Armoured Vehicle-Launched Bridgeの略。))：~
架橋戦車型。~
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--チーフテンマークスマン：~
自走対空砲型。~
チーフテンの車体に2連装エリコンKD 35mm機関砲を装備したマークスマン砲塔を搭載した。~
輸出はされていない。~
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-輸出・海外型
--ハリド：~
「シール1」がヨルダンで採用された際の呼称。~
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--シール1：~
イラン向け改修型。走行装置をチャレンジャー1と共通化する改良が行われている。~
イラン革命により契約がキャンセルされた。~
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--シール2：~
イランでの独自改修型。~
車体後部が傾斜しており、砲塔側面のサーチライトが無くなっているなどの違いが見られる。~
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--Mobarez：~
イランでの独自改修型。~
車体側面の装甲およびサイドスカート形状が異なり、エンジン出力が強化されている。~
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