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【ダメージコントロール】 †
damage control
事故・災害・戦闘で発生する不可避な損害に際して、その被害を最小限に食い止めるために行う応急処置。
および、非常時の応急処置を円滑に行うために用意される事前の工夫と設備。
装甲など、損害の発生そのものを未然に食い止める技術は基本的に含まず、損害は不可避であるという前提に立つ。
医療におけるダメージコントロール †
医療においては、主に外傷による死の危険に際し、延命に必要な最小限の施術のみを施す事を指す。
低体温症・血液成分劣化・失血・体内の化学的汚染など緊急性の高い問題にのみ処置し、容態が安定した後に根治のための処置に移る。
手術による侵襲に耐えられないほど体調が悪化している場合に、療養する時間を稼ぐために行われる。
また、災害や戦闘で一度に多数の負傷者が発生し、患者全員に十分な治療を施せるだけの人員と機材がない場合にも行われる。
兵器運用におけるダメージコントロール †
軍事においては、兵器が損壊した時、その操作員を無事に待避させるための処置を指す。
損傷に伴う火災・爆発・圧壊・浸水・汚染などから兵士の命を守り、脱出・後送を補助するものである。
また、人間の側でもそうした緊急事態を想定し、機械のダメージをコントロールして生き延びるための訓練が施される。
原則として、ダメージコントロールが必要な事態に至った場合、兵器は放り捨ててよいものとされる*1。
ほとんど全ての兵器は内燃機関や爆弾などの危険物を搭載しており、応急処置を試みる事それ自体が死の危険を伴う。
仮に修理して基地に持ち帰る事ができたとしても、完全な修復が不可能であれば結局は用途廃棄するしかない。
戦場における兵器は全て消耗品であり、損傷したら放棄・処分する事を念頭において作られる。
ただし例外的に、艦艇は厳重なダメージコントロールを行い、可能な限りの補修*2を行うべきとされる。
航海中の船舶が沈没を免れ得ない状況に至った場合、乗員が救助を待つ事も、歩いて帰投する事も現実的に期待できないからだ。
船上においては、たとえ高確率で事故死するとしても、全乗員の命のために危険な応急処置を試みねばならない場合がある。
軍事におけるダメージコントロールの詳細は軍事機密に指定されている。
敵がそれを知れば間隙を突く事が可能であるし、またそれを知る事で敵の兵器がより生存性を増して強靱になるからだ。
例えば、アメリカ海軍・海上自衛隊は、他国の海軍に比して艦艇のダメージコントロールに優れる事で知られる。
両者とも太平洋戦争などでお互いの艦艇を撃沈する中で大量のバトルプルーフを獲得し、それを他国から秘匿してきたからだ。
*1 機密保持上の理由により、爆薬などで完全確実に破壊しなければならない、としている場合はある。
*2 木を組み合わせた栓で穴を塞いで浸水を抑え、火災を消し、区画閉鎖やハッチの補強などで被害拡大を食い止める。
現代の軍艦は火災防止のために木製器材を徹底的に排除しているが、例外的にこの応急処置のための木材が搭載されている。