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*&ruby(だめーじこんとろーる){【ダメージコントロール】}; [#v9e26cde]
damage control~
damage control.

事故・災害・戦闘で発生する不可避な損害に際して、その被害を最小限に食い止めるために行う応急処置。~
および、非常時の応急処置を円滑に行うために用意される事前の工夫と設備。

[[装甲]]など、損害の発生そのものを未然に食い止める技術は基本的に含まず、既に起こった事態に対して如何に対応するかを念頭に置く。
[[装甲]]など、損害の発生そのものを未然に食い止める技術は基本的に含まず、損害は不可避であるという前提に立つ。

**医療におけるダメージコントロール [#be7d4bed]

医療においては、主に外傷による死の危険に際し、延命に必要な最小限の施術のみを施す事を指す。~
骨盤骨折や肝臓などの腹腔内臓器の損傷を伴う重傷外傷では低体温症・血液成分劣化・失血・体内の化学的汚染など緊急性の高い問題にのみ処置し、容態が安定した後に根治のための処置に移る。~
医療分野でのダメージコントロールという概念は、ごく最近取り入れられた歴史の浅いもので重傷患者に根治術を行っても患者が死亡する事例が多く、それが患者の生理的限界を超えた医療的な侵襲に耐えられなかった事によるものと明らかになってからだった。その後は限界を超えない程度の最低限の手術で命を繋ぎ止め、全身状態の安定を待つというダメージコントロールが行われるようになる。
外傷以外でも災害や戦場医療などで患者一人に割ける治療時間が限られている場合に行われる。~
また、手術による侵襲に耐えられないほど体調が悪化している場合にも、療養する時間を稼ぐために行われる。
低体温症・血液成分劣化・失血・体内の化学的汚染など緊急性の高い問題にのみ処置し、容態が安定した後に根治のための処置に移る。

手術による侵襲に耐えられないほど体調が悪化している場合に、療養する時間を稼ぐために行われる。~
また、災害や戦闘で一度に多数の負傷者が発生し、患者全員に十分な治療を施せるだけの人員と機材がない場合にも行われる。

**兵器運用におけるダメージコントロール [#wf305085]
[[軍事]]においては、兵器が損壊した時、その操作員を無事に待避させるための処置を指す。~
損傷に伴う火災・爆発・圧壊・浸水・汚染などから兵士の命を守り、脱出・[[後送]]を補助するものである。~
また、人間の側でもそうした緊急事態を想定し、機械のダメージをコントロールして生き延びるための訓練が施される。

原則として、ダメージコントロールが必要な事態に至った場合、兵器は放り捨ててよいものとされる((機密保持上の理由により、[[爆薬]]などで完全確実に破壊しなければならない、としている場合はある。))。~
損傷に伴う火災・爆発・圧壊・[[浸水]]・汚染などから兵士の命を守り、脱出・[[後送]]を補助するものである。~
また、人間の側でもそうした緊急事態を想定し、機械のダメージをコントロールして生き延びるための訓練が施される。~
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原則として、ダメージコントロールが必要な事態に至った場合、兵器は放り捨ててよいものとされる。~
ほとんど全ての兵器は[[内燃機関]]や[[爆弾]]などの危険物を搭載しており、応急処置を試みる事それ自体が死の危険を伴う。~
仮に修理して基地に持ち帰る事ができたとしても、完全な修復が不可能であれば結局は[[用途廃棄]]するしかない。~
戦場における兵器は全て消耗品であり、損傷したら放棄・処分する事を念頭において作られる。

ただし例外的に、[[艦艇]]は厳重なダメージコントロールを行い、可能な限りの補修((木を組み合わせた栓で穴を塞いで浸水を抑え、火災を消し、区画閉鎖やハッチの補強などで被害拡大を食い止める。火災防止のために机に至るまで木材が徹底的に排除された今日の軍艦にも、例外的にこの応急処置のための木材が搭載されている。))を行うべきとされる。~
> 機密保持上の理由により、[[爆薬]]などで完全確実に破壊しなければならない、としている場合はある。

ただし例外的に、[[艦艇]]は厳重なダメージコントロールを行い、可能な限りの補修を行うべきとされる。~
航海中の船舶が沈没を免れ得ない状況に至った場合、乗員が救助を待つ事も、歩いて帰投する事も現実的に期待できないからだ。~
船上においては、たとえ高確率で事故死するとしても、全乗員の命のために危険な応急処置を試みねばならない場合がある。

> この目的のため、[[艦艇]]には[[浸水]]を塞ぐための木材が常備されている。~
近代艦艇は火災予防のために木製器材を排除しているのだが、補修用木材の代替品は未だ知られていない。

[[軍事]]におけるダメージコントロールの詳細は軍事機密に指定されている。~
敵がそれを知れば間隙を突く事が可能であるし、またそれを知る事で敵の兵器がより生存性を増して強靱になるからだ。~
敵がそれを知れば間隙を突く事が可能であるし、またそれを知る事で敵の兵器がより生存性を増して強靱になるからだ。

>例えば、[[アメリカ海軍]]・[[海上自衛隊]]は、他国の[[海軍]]に比して[[艦艇]]のダメージコントロールに優れる事で知られる。~
両者とも[[太平洋戦争]]などでお互いの艦艇を撃沈する中で大量の[[バトルプルーフ]]を獲得し、それを他国から秘匿してきたからだ。


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