【ダナ】(だな)

Dana ShKH-77*1
チェコスロバキアが1977年に開発した装輪式の自走榴弾砲。ZTS社が開発を担当した。
1981年に実戦配備され、1994年までに750両が製造された。

タトラ社製の8×8トラックであるT815をベースに開発され、その上部に152mm榴弾砲の砲塔を搭載する。
各部分とも圧延防弾鋼板の溶接構造で、小火器弾と榴弾の破片に耐える程度の装甲防御力を持ち、完全密閉構造でNBC防護能力を有している。
装輪式のため、不整地走破能力は装軌式よりやや劣るが、整地での速度と長距離自走が可能となった分戦略的機動力が向上した。
主砲である152mm榴弾砲は、旧ソ連製のD-20 152mm榴弾砲を改修したもので、砲身先端には大きな単作動式の砲口制退器が取り付けられており、元来は砲身の上にあった駐退復座器は下側に移されている。
油圧式の自動装填装置?を搭載し、主砲の俯仰角は−4〜+70度、砲塔の旋回角は225度である。
最大射程は通常弾で18.7km、ベースブリード弾で28.23kmである。

チェコスロバキアのほか、 チェコ、リビア、ポーランド、スロバキア、グルジアに輸出されている。

スペックデータ

乗員:5名
全長:11.15m
全高:2.85m
全幅:3.0m
戦闘重量:29.25t
エンジン:タトラ 2-939-34空冷V型12気筒スーパーチャージド・ディーゼルエンジン(出力345hp)
登坂力:60%
超堤高:0.6m
超壕幅:2.0m
最大速度:80km/h(路上)
航続距離:740km
装甲:12.7mm(最大)
携行弾数:60発(砲弾)/300発(機関銃)
兵装:37口径152mm榴弾砲×1門、DShk 12.7mm重機関銃×1挺

派生型

  • ズサナ?:主砲をNATO?標準の155mm榴弾砲に換装した型。


*1 samohybná kanónová houfnice vz. 77:1977年型自走式加農榴弾砲の略。

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