【ダウンウォッシュ】(だうんうぉっしゅ)

downwash(吹き降ろし).

航空機が上昇する(上向きの推力揚力を得ている)事に伴って発生する下向きの気流。

推力を用いて空気中を前進・上昇すれば、その反作用として、触れた空気にも運動エネルギーが作用する。
空気抵抗を主翼ローターで受け止めて揚力を得れば、その翼に弾き飛ばされた空気の一部は翼の端から下向きに吹き下ろされる。
ジェット機が排気ガスを噴射して飛べば、その排気は周囲の大気を巻き込んで後方・下方へと吹き飛んでいく。

この現象は、表面効果を無視できない離陸着陸の行程で重大な問題となる。
1トン以上の巨体を空に飛ばすに足るだけのエンジン推力の反作用は、地上では局所的な嵐となる。
ヘリコプターVTOL機の離着陸は、自身の推力によるダウンウォッシュで転倒事故を起こす危険性と不可分である。

この影響を避けるため、ヘリコプタースタブ翼VTOL機の主翼には、大きな下反角をつけることが多い。


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