【タルワー】(たるわー)

  1. インド海軍が運用していた対潜フリゲート艦。
    イギリス海軍の12型フリゲート(ホイットビィ級)をベースに建造された。
    建造時は対潜装備が主体で対艦装備は装備されていなかったが、就役後にヴィッカーズMk.6 114mm連装砲を撤去し、R-15「テルミート(SS-N-2『スティクス』)」対艦ミサイル発射機*12基を搭載している。

    1959年〜1960年までに2隻が建造されたが、1996年までに全て退役している。

    【スペックデータ】
    船型長船首楼型
    排水量
    基準/満載
    2,150t/2,560t
    全長112.8m
    全幅12.5m
    吃水5.2m
    機関バブコック&ウィルコックス缶×2基
    イングリッシュ・エレクトリック蒸気タービン×2基 2軸推進(30,000shp)
    速力30kt
    航続距離4,200nmi(12kt)
    乗員152名(のち225名)
    兵装ヴィッカーズMk.6 114mm連装砲×1門
    (後に、R-15「テルミート」SSM単装発射機×2基に換装)
    ボフォースMk.2 40mm連装機関砲×1門
    (後に、ボフォースMk.7 40mm単装機関砲×1門に換装)
    Mk.10「リンボー」対潜臼砲×2門
    533mm対潜魚雷連装発射管×12(未搭載または撤去)
    レーダータイプ293Q目標指示レーダー(のちタイプ993)
    タイプ277Q高度測定レーダー
    タイプ275 Mk6M火器管制レーダー
    タイプ262 STAAG火器管制レーダー
    タイプ974航海用レーダー
    IFFタイプ1010 Cossor
    ソナータイプ174捜索ソナー
    タイプ162目標識別ソナー
    タイプ170攻撃ソナー

    【同型艦】
    艦番号艦名主造船所起工進水就役退役
    F-40タルワー
    (Talwar)
    キャメル・レアード1957.6.71958.7.181959.4.261992.
    F-43トリシュル
    (Trishul)
    ハーランド&ウルフ1957.2.191958.6.181960.1.131996.

  2. インド海軍で運用されているフリゲート艦
    ニルギリ?級フリゲートの後継とシヴァリク?級フリゲートの戦力化までのつなぎとして建造された。
    ロシア側ではプロジェクト1135.6と呼ばれ、ロシアが21世紀に入ってから初めて竣工させた航洋水上戦闘艦である。

    設計に当たって旧ソ連邦国境警備隊の11351型国境警備艦(クリヴァクIII型フリゲート)をベースにしているが、ステルス性を重視した外見に刷新されている。
    前期建造艦3隻は、バルチースキィ・ザヴォート(バルチック造船所)で建造され、事務上の理由から一旦ロシア軍艦として建造されたのち、インド海軍に引き渡された。

    武装は対艦ミサイル3M54E「クラブ-N(SS-N-27)」*2、対潜装備には533mm対潜魚雷とRBU-6000「スメルチ-2」対潜迫撃砲、対空ミサイルには3K37「ヨーシュ」(SA-17の艦対空ミサイル型)の輸出版である「シュチーリ(SA-N-12)」と3M87「コールチク」の輸出型であるCADS-N-1「カシュタン」複合CIWSを搭載する。
    また、艦載機としてKa-28及び国産のHAL デュラブ対潜ヘリコプター1機を搭載する。

    現在までに3隻が建造・就役している。
    さらに3隻が追加発注されているが、工事の不手際などによる引渡しの遅延などがあったため、前期3隻と同じくバルチースキィ・ザヴォート(バルチック造船所)ではなく、カリーニングラード市のヤンタリ(Yantar)造船所で建造されている。

    【スペックデータ】
    全長124.8m
    全幅15.2m
    吃水4.5m
    満載排水量4,035t
    機関COGAG方式 2軸推進
    DS-71ガスタービン(巡航用)×2基
    DT-59ガスタービン(ブースト用)×2基
    機関出力18,000馬力(DS-71)
    39,000馬力(DT-59)
    計55,283馬力
    最大速力32kt
    航続距離4,850浬/18kt
    乗員180名
    兵装A-190E 100mm単装砲×1基
    CADS-N-1「カシュタン」複合CIWS×2基
    3S90単装SAM発射機×1基
    (シュチーリ(SA-N-12)艦対空ミサイル×24発)
    RBU-6000「スメルチ-2」12連装対潜ロケット発射機×1基
    3M54 クラブN(SS-N-27)対艦ミサイルVLS×1基 8セル
    PJ-10「ブラモス」対艦巡航ミサイル連装発射機(後期型に搭載予定)
    533mm魚雷連装発射管×2基
    C4Iシステム「トレーボヴァニェ-E」戦術情報処理装置
    FCSMR-90「オリェーフ」(NATOコード「フロント・ドーム」)ミサイルFCS×1基(SAM用)
    5P-10E ピューマ 砲FCS×1基(100mm砲用)
    3R14N ミサイルFCS×1基(SSM用)
    レーダーMR-750「フレガートMA」(NATOコード「トップ・プレート」)Sバンド3次元レーダー×1基
    MR-352「ポジティヴE」低空警戒/対水上/射撃指揮レーダー×1基
    3Ts-25E「ガルプン-B」長距離対水上レーダー×1基
    ソナーBEL APSOH 艦首装備ソナー×1基
    SSN-137 可変深度ソナー×1基
    フランス製戦術曳航ソナー×1基
    電子戦装備TK-25E-5 統合電子戦システム
    艦載機Ka-28又はHAL デュラブ対潜ヘリコプター×1機

同型艦(カッコ内はロシア海軍所属時の艦名)

艦番号艦名起工進水就役
F-40タルワー
(INS Talwar)
(ドゾルヌイ(Дозорный))
1999.3.102000.3.122003.6.18
F-43トリシュル
(INS Trishul)
(ウダールヌイ(Ударный))
1999.9.242000.11.242003.6.25
F-44タバール
(INS Tabar)
(SKR-23号(СКР-23))
2000.5.262001.5.252004.4.19
F-45テグ
(INS Teg)
2007.7.272009.11.272012.4.27
F-46タルカシュ
(INS Tarkash)
2007.11.272010.6.232012.11.9
F-47トリカンド
(INS Trikand)
2008.6.212011.5.252013.6.29



*1 退役した205型大型ミサイル艇(オーサ型)から流用したもの。
*2 インド本国で建造される後期型はインドとロシアが共同開発したブラモス?対艦巡航ミサイルを搭載する。

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