【タコツボ】(たこつぼ)

戦場での掩体壕全般の俗称。
由来はタコ漁で罠として使用される、タコの穴などに隠れる習性を利用した壷から。

最小のものは人一人が立射又は伏射で身を隠せる程度の縦穴で、スコップ等で掘って作る。
野戦築城の最も基本的なものであるが、本格的な陣地を構築する余裕が無いときや、その必要が無いときなど、状況によって形態や穴の程度や規模には差がある。
また構築に当っても、他の掩体との位置関係等を考慮して掘るものであり、個々が好き勝手に作るわけではない。

大規模な作戦では、戦車自走砲を隠すための大きな掩体掩蔽壕)を掘る場合もある。
もっとも、砲塔を隠す事ができない(隠したら主砲が撃てなくなり、戦闘車輌をそこに置いておく意味がなくなる)ため効果は限定的である。
また、近接航空支援対迫レーダーから隠れる効果もない。
このため、機動力を駆使した位置特定の妨害・緊急避難ができない場合のみの苦肉の策と見る向きが大きい。

単体では縦横方向の連絡に乏しいため、本格的な野戦陣地ではは掩体を繋ぐ連絡路、手榴弾*1や掩蓋(天井)などを設ける。
非常に簡素ではあるが、地面より更に低いところに位置することは榴弾等の炸裂弾をよける上でも非常に意味がある。

なお、戦火に覆われた地域で、住民が身を守るときに作ることもある。

関連:掩体 掩蔽壕 塹壕


*1 敵から投げ込まれた手榴弾を孔に投げ落とし、爆轟や破片を土砂で吸収する。

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