*&ruby(たいこんでろが){【タイコンデロガ】}; [#mf4a8767]
Ticonderoga~
アメリカ合衆国ニューヨーク州の地名。~
アメリカ独立戦争時代、この地にあった[[要塞]]での戦いにちなみ、[[アメリカ海軍]][[艦艇]]の名前に複数回使われている。~
**正規空母（CV-14） [#y74d47df]
CV-14 USS Ticonderoga.~
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[[エセックス級>エセックス]][[航空母艦]]の6番艦。~
[[太平洋戦争]]中の空母建造ラッシュのなかで建造され、1944年に就役した。~
オリジナルの「[[エセックス]]」に比べると艦首飛行甲板前端に機銃座を増設したため船体が長く、本艦と同様のものを「タイコンデロガ級航空母艦」と称する場合もある。~
ただし本艦の就役は遅れ、タイコンデロガ級の中で一番最初に就役したのは「ハンコック（CV-19）」となった。~
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戦後は一時退役していたが、[[斜め飛行甲板]]の追加など、ジェット機運用のための近代化改修を行い、1957年に復帰した。~
1964年の[[トンキン湾事件]]において「[[報復]]」と自称する攻撃をおこない、[[ベトナム戦争]]拡大のきっかけとなったことでも知られる。~
1965年には[[水爆>水素爆弾]]を積んだ[[艦載機]]（[[A-4「スカイホーク」>A-4]][[攻撃機]]）が海中へ転落する事故（[[ブロークンアロー]]）が発生している((該当の機体は水素爆弾ごと水深5,000ｍあまりの深海に水没し、回収は断念されている。))。~
1969年に[[対潜空母]]（CVS-14）へ艦種変更され、1973年に退役した。~
**イージス巡洋艦（CG-47） [#w08fb4d4]
CG-47 USS Ticonderoga.~
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タイコンデロガ級ミサイル[[巡洋艦]]の1番艦にして、世界初の[[イージス艦]]((実戦配備された艦として。イージスシステムの開発に使われた試験艦「ノートン・サウンド」を除く。))。~
[[RIM-66]]を同時に16〜24（諸説あり）の空中目標へ誘導することができるといわれる。~
[[スプルーアンス級>スプルーアンス]][[駆逐艦]]の船体設計にイージスシステムを搭載する形で建造されたため、船体に比べて艦橋などの上部構造物が大型化している。~
[[スプルーアンス]]級から派生したため、発注時点ではミサイル[[駆逐艦]]に分類されていたが、[[駆逐艦]]としては[[排水量]]が大きく、また従来のミサイル[[巡洋艦]]を凌駕する性能を持っていたことから、起工時にミサイル[[巡洋艦]]へ改められた。~
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ベースライン0及び1と呼ばれる初期の5隻には[[イージス艦]]の特徴と思われている[[垂直発射システム]]（VLS）ではなく、スプルーアンス級と同じくMk26「GMLS」連装ミサイル発射機を装備しており、VLSを装備するのは6番艦「バンカーヒル」以降となっている。~
同型艦は27隻にも及んだが、1隻あたりの価格が10億ドルにも達し、今後新造される予定はなく順次退役。~
予定通りであれば、2034年には全艦が姿を消すことになる。~
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1番艦「タイコンデロガ」の2017年予定を始め、暫くの間運用される予定であったが、タイコンデロガが2004年9月30日に退役したのを皮切りに、既にベースライン0・1の5艦が退役している。~
[[垂直発射システム]]を装備するベースライン2以降の22隻には、今後[[ミサイル防衛]]機能が付与され、[[RIM-161]]（SM-3）が配備される予定である。~
[[RIM-161]]開発のため「レイク・エリー」や「シャイロー」に同ミサイルの発射能力が付与されている。~
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今後、タイコンデロガ級の任務は[[ミサイル防衛]]に重きが置かれるようになり、アメリカ海軍における艦隊防空任務の中心は、廉価版[[イージス艦]]である[[アーレイ・バーク級駆逐艦>アーレイ・バーク（駆逐艦）]]へ移される予定である。~
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なお、余談ながら本艦型は1999年以後、アメリカ海軍が保有する唯一の「[[巡洋艦]]」となっている((この年、「カリフォルニア」級原子力ミサイル巡洋艦が退役したことによる。))。~
[[航空母艦]]の艦長は[[エビエーター]]出身者が就くことになっているため、水上艦勤務の大佐にとって本級の艦長職は目標になっている((現在、[[駆逐艦]]とされている[[ズムウォルト]]級の艦長を大佐職にするために[[巡洋艦]]に艦種変更する可能性はある（同級は本級よりも大型（[[前ド級]][[戦艦]]並みの[[満載排水量]]）で、搭載艦砲が6.1インチ（15.5�僉砲任△襦法�))。~
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***後継艦 [#id1b8a10]
本級の後継艦としては「CG(X)」の建造が計画されていたが、高額な建造費により2010年に計画中止となった。~
その後、中国人民解放海軍の[[055型]][[駆逐艦]]の就役と新型対艦ミサイルの拡充を受け、水上艦戦力の拡充が図られることになり、巡洋艦の開発計画が再開されることになった。~
2021年度予算案において本艦級の後継巡洋艦の開発費用が盛り込まれ、2025年までに1番艦建造に必要な作業を終わらせることを目標にしている。~
急速な開発が求められたことから、新技術の導入は避け、実証済みの技術で構成し、開発期間の短縮とリスクを軽減する計画とされている。~
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&ref(chancellorsville.jpg); ~
CG-62 USS Chancellorsville~
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***要目 [#t45db3cc]
|>|CENTER:''スペックデータ''|
|艦級|タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦（[[イージス艦]]）|
|主造船所|インガルズ造船所&br;（CG-47〜50・CG-52〜57・CG-59・CG-62・CG-65〜66・CG-68〜69・&br;CG-71〜73）&br;バス鉄工所（CG-51・CG-58・CG-60〜61・CG-63〜64・CG-67・CG-70）|
|全長|172.8m|
|全幅|16.8m|
|吃水|9.5m|
|[[排水量]]&br;（[[基準>基準排水量]]/[[満載>満載排水量]]((建造時期・装備によって異なる。))）|7,652t-/9,407-9,590t|
|[[機関>エンジン]]|COGAG方式&br;GE LM2500[[ガスタービン]]×4基（出力20,000hp）&br;可変ピッチ・プロペラ×2軸|
|機関出力|80,000hp|
|速力|30[[kt>ノット]]+|
|[[航続距離]]|6,000[[海里]]（20kt）/3,300海里（30kt）|
|乗員|358名/312名（CG-48）|
|兵装|Mk.45 54[[口径]]5インチ単装[[速射砲]]×2基（AMOD改修後は62口径）&br;ベースライン0/1：Mk.26 mod5"GMLS((Guided Missile Launching System.))" 連装ミサイル発射機×2基&br;（[[SM-2>RIM-66]]、[[アスロック>RUR-5]]を装備（弾庫容量44発））&br;ベースライン2以降：Mk.41 mod.0 [[VLS>垂直発射システム]]×2基61セル&br;（[[SM-2>RIM-66]]、[[SM-3>RIM-161]]、[[ESSM>RIM-162]]、[[VLA>RUM-139]]、[[トマホーク>BGM-109]]を装備）&br;Mk.141 4連装[[SSM>艦対艦ミサイル]][[発射筒>キャニスター]]×2基（[[ハープーン>RGM-84]]を装備）&br;[[Mk.32]] 3連装324mm[[短魚雷>対潜魚雷]]発射管×2組&br;[[Mk.15 20mmCIWS>ファランクス]]×2門&br;[[Mk.38>M240]]"MGS" 25mm単装機銃×2門（CG-52〜）&br;[[M2 12.7mm単装機銃>ブローニングM2]]×4基|
|[[艦載機]]|[[SH-2F>SH-2]]/[[SH-60B LAMPS>SH-60]][[対潜ヘリコプター]]×2機|
|[[C4Iシステム>C4I]]|USQ-119 GCCS((Global Command and Control System：汎地球指揮統制システム。))-M&br;NTDS((Naval Tactical Data System：海軍戦術情報システム。)) mod.4/5 （[[リンク 4A/11/14/16>データリンク]]）&br;AWS((Aegis Weapon System：イージス武器システム。))Mk.7&br;AN/SQQ-89(V)3 ASWCS((ASW Combat System：統合対潜戦システム。))&br;Mk.37 TWS((Tomahawk Weapon System：トマホーク武器システム。))|
|[[FCS>火器管制装置]]|Mk.86 mod.9→Mk.160×1基（5インチ砲用）&br;Mk.99 ミサイルFCS×4基（[[SM-2>RIM-66]]用）&br;AN/SWG-3A TWCS（[[BGM-109]]用）&br;AN/SWG-1A HSCLCS（[[RGM-84]]用）&br;Mk.116 水中FCS（[[VLA>RUM-139]]、短魚雷用）|
|[[レーダー]]|AN/SPY-1A/B 多機能レーダー×4面1基&br;AN/SPS-49 対空捜索用レーダー×1基※後日改修により撤去&br;AN/SPS-55 対水上捜索用レーダー×1基&br;AN/SPG-62 SAM射撃指揮用レーダー×4基（Mk.99のサブシステム）&br;AN/SPQ-9B 目標捕捉/砲射撃指揮用レーダー×1基（Mk.86のサブシステム）|
|[[ソナー]]|SQS-53B/C/D 艦首装備式ソナー×1基&br;AN/SQR-19 TACTAS 曳航式ソナー×1基|
|[[電子戦]]&br;・対抗装備|AN/SLQ-32(v)3 電波探知妨害装置&br;AN/SLQ-25「ニクシー」対[[魚雷]][[囮>デコイ]]装置&br;Mk.36 SRBOC [[チャフ]]・[[フレア]]展開装置（Mk.137 6連装[[デコイ]]発射機×8基）&br;AN/SLQ-69デコイ装置×4基|
~
***同型艦 [#r80f7651]
|>|>|>|>|>|CENTER:ベースライン0|
|CENTER:艦番号|CENTER:艦名|CENTER:起工|CENTER:進水|CENTER:就役|CENTER:退役|
|CG-47|タイコンデロガ&br;（USS Ticonderoga）|1980.1.21|1981.4.25|1983.1.22|2004.9.30|
|CG-48|[[ヨークタウン]]&br;（USS Yorktown）|1981.10.19|1983.1.17|1984.7.4|2004.12.3|
|>|>|>|>|>|CENTER:ベースライン1|
|CENTER:艦番号|CENTER:艦名|CENTER:起工|CENTER:進水|CENTER:就役|CENTER:退役|
|CG-49|ヴィンセンス&br;（USS Vincennes）|1982.10.19|1984.1.14|1985.6.3|2005.6.29|
|CG-50|ヴァリー・フォージ&br;（USS Varrey Forge）|1983.4.14|1984.6.23|1986.1.18|2004.8.30|
|CG-51|トーマス・S・ゲイツ&br;（USS Thomas S.&br;Gates）|1984.8.31|1985.12.14|1987.8.22|2005.12.14|
|>|>|>|>|>|CENTER:ベースライン2|
|CENTER:艦番号|CENTER:艦名|CENTER:起工|CENTER:進水|CENTER:就役|CENTER:母港|
|CG-52|バンカー・ヒル&br;（USS Bunker Hill）|1984.1.11|1985.3.11|1986.9.20|CENTER:サンディエゴ&br;海軍基地&br;カリフォルニア州|
|CG-53|モービル・ベイ&br;（USS Mobile Bay）|1984.6.6|1985.8.22|1987.2.21|~|
|CG-54|アンティータム&br;（USS Antietam）|1984.11.15|1986.2.14|1987.6.6|CENTER:横須賀海軍施設&br;日本・神奈川県|
|CG-55|レイテ・ガルフ&br;（USS Leyte Gulf）|1985.3.18|1986.6.20|1987.9.26|CENTER:ノーフォーク&br;海軍基地&br;バージニア州|
|CG-56|サン・ジャシント&br;（USS Sanjacint）|1985.7.24|1986.11.14|1988.1.23|~|
|CG-57|レイク・シャンプレイン&br;（USS Lake Champlain）|1986.3.3|1987.4.3|1988.8.12|CENTER:サンディエゴ&br;海軍基地&br;カリフォルニア州|
|CG-58|フィリピン・シー&br;（USS Philippine Sea）|1986.4.8|1987.7.12|1989.3.18|CENTER:メイポート&br;海軍補給基地&br;フロリダ州|
|>|>|>|>|>|CENTER:ベースライン3|
|CENTER:艦番号|CENTER:艦名|CENTER:起工|CENTER:進水|CENTER:就役|CENTER:母港|
|CG-59|プリンストン&br;（USS Princeton）|1986.10.15|1987.10.2|1989.2.11|CENTER:サンディエゴ&br;海軍基地&br;カリフォルニア州|
|CG-60|ノーマンディー&br;（USS Normandy）|1987.4.7|1988.3.19|1989.12.9|CENTER:ノーフォーク&br;海軍基地&br;バージニア州|
|CG-61|モンテレー&br;（USS Monterey）|1987.8.19|1988.10.23|1990.6.16|~|
|CG-62|チャンセラーズヴィル&br;（USS Chancellorsville）|1987.6.24|1988.7.15|1989.11.4|CENTER:横須賀海軍施設&br;日本・神奈川県|
|CG-63|カウペンス&br;（USS Cowpens）|1987.12.23|1989.3.11|1991.3.9|CENTER:サンディエゴ&br;海軍基地&br;カリフォルニア州|
|CG-64|ゲティスバーグ&br;（USS Gettysburg）|1988.8.17|1989.7.2|1991.6.2|CENTER:メイポート&br;海軍補給基地&br;フロリダ州|
|>|>|>|>|>|CENTER:ベースライン4|
|CENTER:艦番号|CENTER:艦名|CENTER:起工|CENTER:進水|CENTER:就役|CENTER:退役|
|CG-65|チョーシン&br;（USS Chosin）|1988.7.2|1989.9.1|1991.1.12|CENTER:サンディエゴ&br;海軍基地&br;カリフォルニア州|
|CG-66|ヒュー・シティ&br;（USS Hue City）|1989.2.20|1990.6.1|1991.9.14|CENTER:メイポート&br;海軍補給基地&br;フロリダ州|
|CG-67|シャイロー&br;（USS Shiloh）|1989.8.1|1990.9.8|1992.7.18|CENTER:横須賀海軍施設&br;日本・神奈川県|
|CG-68|アンツィオ&br;（USS Anzio）|1989.8.21|1990.11.2|1992.2.10|CENTER:ノーフォーク&br;海軍基地&br;バージニア州|
|CG-69|ヴィックスバーグ&br;（USS Vicksburg）|1990.5.30|1991.9.7|1992.11.14|CENTER:メイポート&br;海軍補給基地&br;フロリダ州|
|CG-70|レイク・エリー&br;（USS Lake Erie）|1990.3.6|1991.7.13|1993.7.24|CENTER:サンディエゴ&br;海軍基地&br;カリフォルニア州|
|CG-71|ケープ・セント・ジョージ&br;（USS Cape St. George）|1990.11.19|1992.1.10|1993.6.13|~|
|CG-72|ヴェラ・ガルフ&br;（USS Vella Gulf）|1991.4.22|1992.6.13|1993.7.12|CENTER:ノーフォーク&br;海軍基地&br;バージニア州|
|CG-73|ポート・ロイヤル&br;（USS Port Royal）|1991.10.18|1992.11.20|1994.7.9|CENTER:[[真珠湾]]&br;ハワイ州|
~
