【ズーブル型】(ずーぶるがた)

ロシア海軍が保有・使用するエアクッション型小型揚陸艇。
ロシア側ではプロジェクト1232.2型と呼ばれ、NATOコードネームでは、「ポモルニク」(Pomornik)と呼ばれた。
バルチック艦隊に所属しており、LCAC-1のように強襲揚陸艦ドック型揚陸艦に搭載して運用するのではなく、洋上を高速で自力航行して戦車揚陸艦のようにビーチングして揚陸を行う。

最高速度は63kt(約113km/h)、エアクッション揚陸艦艇としては世界最大の150tのペイロードを持ち、1隻に戦車なら3両、歩兵戦闘車なら8両を搭載することができる。
本型の運用は主に内海や近距離での作戦を想定されており、出港から揚陸・展開までを空輸に準じる速度で、重装備の機甲戦力を迅速に投入可能な点は特筆に値する。
仮に本型6隻で戦力構成した場合、主力戦車(MBT)18両の戦車中隊ないし、MBT12両、歩兵戦闘車16両からなる機甲中隊を投入可能となる。

武装には自衛用に艦橋付近にAK-630 30mmCIWS2基、9K310-1「イグラ-M」又は9K34「ストレラー3」地対空ミサイル四連装発射機4基を持ち、また、艦首には着上陸部隊への火力支援用に安定化された22連装140mmロケット弾発射機2基を持つ。

搭載しているNK-12MV ガスタービンエンジンは、航行用に3基、浮上用に2基が割り当てられている。

ロシア以外にもウクライナとギリシャで運用されているが、ウクライナは2005年に黒海艦隊所属の全艦が退役している。

スペックデータ

乗員21〜31名(将校4名、准尉7名)
全長57.3m
全幅25.6m
喫水2m
排水量
基準/満載
415t/550t
エンジンNK-12MV ガスタービンエンジン(10,000hp)×5基
発電機×4基
速度
(最大/巡航)
63kt(113km/h)/55kt
航続距離540km(55kt)
武装9K310-1「イグラー1M」または9K34「ストレラー3」赤外線対空ミサイル4連装発射機×4
AK-630 30mm機関砲CIWS)×2基
22連装140mmロケット弾発射機×2基
搭載能力歩兵360名または主力戦車3両か歩兵戦闘車8両とその搭乗員80名を搭載可能。



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