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【スラリー爆薬】 †
gelled slurry explosives (GSX)
1957年にメルビン・クック教授によって発明された爆薬の一種。
ジェル状(gelled)の粘ついた(slurry)液体であるのが最大の特徴。
典型的には硝酸アンモニウムとアルミニウムの粉末を混ぜて水で練ったもの。
危険な原材料を含まないため、屋外で発破直前にミキサーに詰めて調合できる。
また同様に、危険な原材料を含まないため輸送コストが低く、調達単価も非常に安い。
全ての原料が容易に調達できるため、テロリストがIEDに用いる事もある。
大規模な破壊が必要な場合に、爆弾の破壊力をスラリー爆薬で"水増し"する事ができる。
多量の水が含まれている性質上、火に投じても起爆しないどころか発火すらしない。
起爆する際は信管を用意するか、他の爆弾を用いて誘爆しなければならない。
あまりに鈍感すぎて問題が生じる事もあるため、起爆剤としてTNTなどを添加する事もある。
破壊力そのものはダイナマイトなど旧来の爆薬に比してそれほど高くない。
しかし安定性とコストに優れており、穴を掘って流し込むなどの柔軟な運用が可能。
また、起爆後に水蒸気爆発を起こすため、蒸気が浸透しやすい土砂などを吹き飛ばす用途に適する。
この特性のため、鉱山などの工業現場からダイナマイトを駆逐しつつある。
軍事では管理コストの低さと安全性から、工兵の発破作業や一部の大型爆弾に用いられる。