【スラット装甲】(すらっとそうこう)

slat armor
装甲の一種で、鉄柵型の形状をしたもの。
軽量装甲車?などに対し、成形炸薬弾対策として配備がすすめられている追加装甲である。

成形炸薬弾は主装甲の表面で起爆しないと十分な効果を得られないため、その手前で爆発させ、あるいは不発とすることを期待して装着される。
成形炸薬弾に対する防御力を比較的手軽に増強することができるものの、当然ながら徹甲弾などに対してはほぼ無力である。
また鉄柵型とはいえ多少の重量増加につながるものであり、特にスラット装甲を必要とする軽量の車輌においてはそのメリットを減殺することになりかねない。
さらには主装甲から数十cm以上離して取り付ける必要があるため車体の外寸が大きくなってしまい、
狭い路地を通過する事が出来なくなる(特に米軍がテロと呼ぶ武装勢力がはびこる地区などでは致命的な問題)
ついでに言えば、外観もかなり格好の悪いものとなってしまい、車体感覚や視野の変化からドライバーの負担も高くなる。

このようにデメリットも多く指摘されているが、RPGのように安価な成形炸薬弾が氾濫している現状で背に腹は代えられず、軽装甲の戦闘車両に対する配備がすすんでいるのが現状である。

成形炸薬弾が登場した第二次世界大戦の後期では、ドイツ軍が中戦車や重戦車に対して装備させたシュルツェン(シェルツェン)?*1や、
ソ連軍がパンツァーファウスト等の脅威に対して戦車の周りに簡易ベットを貼り付けた物が同様の効果を発揮した。


*1 当初、シュルツェン装備の目的はソ連軍が装備していた強力な対戦車ライフル?に対抗するためだったが、後に成形炸薬弾に対しても効果があることが分かり、後期には対HEAT専用の物も出現した。

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