【スペースシャトル】(すぺーすしゃとる)

Space Shuttle.

アメリカ航空宇宙局(NASA)が1977年に滑空試験を開始し、1981年4月12日にコロンビア号(STS-1)を打ち上げたことにより、スタートさせた、再利用が可能な往還機。
外形はオービター1機、固体燃料を噴射するロケットブースター2基、外部燃料タンク1基で構成されており、オービターは100回、ブースターは10〜20回程度再利用ができるよう設計されている(外部燃料タンクは切り離しの際、大気圏?で燃え尽きてしまうため、使い捨てとなる)
オービターは大気圏へ突入し、グライダー?のように滑空して着陸することができる。

着陸したオービターは自力で離陸することができないため、ボーイング747を改造した専用の輸送機(Space Shuttle Carrier Aircraft=SCA)に載せ、ケネディ宇宙センターへ空輸される。

これまで建造されたオービターは、実験機のエンタープライズを始め、コロンビア、チャレンジャー、アトランティス、ディスカバリー、エンデバーがあり、このうちコロンビア号とチャレンジャー号の2機が事故で失われており、チャレンジャー号の後継機としてエンデバー号が建造された。
従って、現在宇宙への打ち上げが可能なオービターはアトランティス、ディスカバリー、エンデバーの3機のみとなっている。

現在使用中のスペースシャトルの後継機として、ロッキード・マーチン社の考案するX-33?VentureStar(ベンチャースター)を始めとする数種類の機体が提案されているが、技術的な問題から開発が難航し、暗礁に乗り上げている。

※スペースシャトルの事故
1986年1月28日にチャレンジャー号(STS-51L)が打ち上げの上昇中に固体燃料を噴射するロケットブースターからのガス漏れによって爆発を起こし、乗員全員が死亡する事故が起こった。また、乗員には民間人から選ばれた教師も搭乗していたことでも注目された。
原因はロケットブースターからガスが漏れないようにするリング(Oリング)が低温で硬くなり、ブースターに隙間ができ、そこからガスが漏れたものと考えられた。
かねてからブースターの危険性について指摘する声もあったが、ブースターの改良を行わなかったNASAの管理体制を問題視する声もあった。

 参考リンク
 エンタープライズ号の滑空試験を捉えた写真
http://www.dfrc.nasa.gov/Gallery/Photo/ALT/index.html

 NASAのホームページ内にあるSTS-51Lチャレンジャー号の事故に関する内容
http://www.hq.nasa.gov/office/pao/History/sts51l.html
http://www-pao.ksc.nasa.gov/kscpao/shuttle/missions/51-l/mission-51-l.html

2003年2月1日にはコロンビア号(STS-107)が大気圏へ突入する際、損傷した主翼から空中分解を起こし、乗員全員が死亡する事故が起こった。
原因は発射の途中に外部燃料タンクから脱落した断熱材の破片が衝突したことにより、左主翼に亀裂が生じたためと考えられている。大気圏へ突入する際、高温の空気が翼前縁部へ侵入し、左翼のアルミの構造材を溶かして空中分解を起こしたと考えられている。

 参考リンク
 コロンビア事故最終報告書 非公式日本語版
http://lts.coco.co.jp/isana/final_report/


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