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*&ruby(すてるす){【ステルス】}; [#f9199e07]
Stealth.~

//ステルスはレーダーだけの技術ではないので修正しました。
探査機器によって検知・発見されないよう隠蔽を施す事。~
能動的な妨害を行うもの(“誰かが妨害している事”自体を隠蔽できないもの)は含まない。

Stealth.~
[[レーダー]]やそのほかのセンサーなどから探知されにくくなるよう作られた航空機。 またはその技術。~
ステルス技術を取り入れて作られた航空機は、[[レーダー反射面積]](RCS)が小さいため[[レーダー]]に探知される距離が短くなり、あるいは小さくしか映らなくなるため識別が難しく、またエンジンの排熱などを抑える事によって、[[赤外線誘導]]のミサイル攻撃を受けづらくなっている。~
これにより敵防空網をすり抜けたり、要撃を受けずに長距離侵攻爆撃ができたり、敵戦闘機に先制攻撃できるなどの利点がある。~
ステルスと言っても、当然ながら肉眼でははっきり見えるため、夜間作戦を行うことも多い。 また、作戦以外の通常時は電波を自ら発信するなどして[[レーダー]]に映るようにしている。~
この技術を最大限に活用して極秘裏に開発されていた米空軍の[[F-117]]が公開されたことで、ステルスは一躍注目を集めた。~
なお、俗にステルス機と呼ばれるのは[[F-117]]、[[B-2]]、[[F-22A]]、[[F-35]]であるが、最近開発された[[ラファール]]、[[ユーロファイター]]、[[F-2]]なども前者ほどではないものの、電波吸収塗料を塗るなどのステルス技術を取り入れて[[レーダー反射面積]]を小さくするなどの工夫が施されており、あえてステルスと言うまでもなく今後は標準的な技術となるであろう。~
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一般には、防空戦闘の中核である[[レーダー]]をかいくぐる機体設計を指す。~
しかし、広義には人間の肉眼を含めた全てのセンサー類が対象となる。

ステルスを採用する事による[[戦術]]上の主眼は、交戦時の距離を攻撃側に都合良く操作する事である。~
[[奇襲]]と[[アウトレンジ]]が成立すれば味方に被害なく攻撃する事ができる。~
そして現代空戦において、[[奇襲]]と[[アウトレンジ]]はステルスなくしては成立しない。

また、ステルスは[[防御]]面においても機体・人員の生存を図るために必要不可欠である。~
敵に発見されていない限り、敵から攻撃を受ける事もないからだ。~
特に[[ミサイル]]が発達した現代、[[終端誘導]]を妨害する技術は文字通りの意味で兵士の生死を左右する。

現在知られている主なステルス技術には以下のようなものがある。

-[[レーダー反射面積]]の小さくなる機体形状を採用し、敵[[レーダー]]の実効探知距離を削減する
-[[ミサイル]]・[[爆弾]]などの表面積の大きな搭載機器を[[ウェポンベイ]]に格納・遮蔽し、発射時のみ露出させる
-[[電磁波]]を吸収する塗料を用い、[[レーダー]]走査に応答が返らないようにする
-[[エンジン]]などの排熱を抑え、[[赤外線誘導]]を攪乱する
-[[迷彩]]を施す

現在のステルス技術は全て不完全なものであり、敵に接近しすぎれば検知されてしまう。~
特に問題なのは人間の目視確認で、[[目視内射程]]まで接近すれば捕捉されるのは時間の問題である。~
このため、ステルス兵器の運用は夜間戦闘を重視して行われる。

また、味方からも発見できない、という事実は[[戦術]]上の障害になる場合がある。~
このため、自ら電波を発信する、レーダー反射板を取り付けるなどして意図的にステルス性を削ぎ落とす事もある。

陸戦では障害物の陰に隠れれば事足るため、ステルスはあまり重視されない。~
もちろん敵から隠れる事は[[戦車]]にとっても重要だが、最大の天敵は常に[[歩兵]]の目視である。

一方、遮蔽物のない空戦・海戦ではステルス性は決して欠かす事のできない要素になりつつある。~
程度の差こそあれ、[[湾岸戦争]]以降の[[軍用機]]・[[艦艇]]でステルスを意識していないものはほとんどない。

#ref(stealth.jpg)~
Photo: USAF~
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